不動産担保ローンの借り換え、メリットと早く通る審査のコツ

不動産担保ローンの借り換え、メリットと早く通る審査のコツ

 

「毎月の返済がちょっと大変…」「もっと条件のいいローンに変えられないかな?」といったお悩みを解決するには、不動産担保ローンを活用した借り換えを検討してみてはいかがでしょうか。借り換えをすることで、金利が下がったり、毎月の返済額が軽くなったりすることがあります。でも、手続きや注意するポイントもあるので、きちんと知っておくことが大切です。この記事では、借り換えの基本的な流れからメリット・デメリットまで、わかりやすく説明していきます。

 

 

 不動産担保ローンの借り換えとは

不動産担保ローンの借り換えとは、今利用しているローンを別の金融機関のローンに切り換えることを指します。主な目的は、金利を下げる、短期契約のローンから長期契約のローンに切り替えることで月々の返済額を減らす、切り替えに合わせて新たな資金を借り入れることなどがあります。ご自身にとってより有利な条件に切り替えるために行うものですが、切り替えのタイミングなど注意点もありますので、解説していきます。

 

借り換えで何が変わる?金利・返済額の変化をシミュレーション解説

例えば、現在A社は不動産担保ローンを7.0%の金利で2,000万円、返済期間20年で借りています。

コロナで落ち込んだ業績も、前期は売上、利益ともに改善し、別の金融機関で下記の条件で借り換えを実施しました。

項目 借り換え前 借り換え後
金額 2,000万円 2,000万円
金利 7% 5.5%
期間 20年 20年
月々の返済 約155,000円 約137,500円
総返済額 約3,720万円 約3,300万円

これまで毎月の返済額は約15万5,000円、総返済額は約3,720万円でしたが、借り換えで金利5.5%のローンに変更すると、毎月の返済額は約13万7,500円になり、総返済額も約3,300万円になります。つまり、毎月約1万7,500円の負担が軽くなり、20年間で総額約420万円もの支払いを減らせる計算になります。

 

個人・法人で異なる特徴と注意点

不動産担保ローンの借り換えには、個人向けと法人向けがあります。個人と法人で異なる特徴と注意点について説明をしていきます。

  個人 法人
資金使途 住宅ローンや無担保ローンの借り換え 事業資金や資金繰りの改善
必要書類 源泉徴収票や確定申告書など 決算書、事業計画書、資金繰り表など
審査のポイント 安定した収入の見込みがあるか 決算は黒字か、事業計画に無理がないか

 

個人向けは、主に住宅ローンや無担保ローンの資金の見直しすることが目的で、金利の低さや返済負担の軽減が重視されます。

一方、法人向けは、事業資金の調達や資金繰りの改善が目的で、希望する融資額や柔軟な返済条件などがポイントになります。

個人の場合は収入が安定している、法人の場合は利益が順調に出ている場合で比較的資金に余裕があり、金利の低さを重視する場合には銀行へ相談するのがよいでしょう。

一方急ぎの資金や収入や利益が安定していない場合は、ノンバンクの不動産担保ローンは担保力も重視して判断していますので、その場合にはノンバンクに相談することを検討するとよいでしょう。

 

最適な借り換えのタイミングを見極める5つの視点

以下の場合には借り換えを検討することをおすすめします。

□金利動向

市場金利などの動向を見て、現在借り入れている商品を他の金融機関の同程度の商品と比較した際、金利が1%以上下げられる可能性がある場合には、借り換えを検討することをおすすめします。

※金利差が小さすぎると、借り換え時にかかる手数料などの諸費用を回収しきれないため。

 

□残債・残存期間

残債が1,000万円以上ある場合、または残存期間が10年以上ある場合などは、借り換えをしてメリットを得られる可能性が高いと言えます。

逆に、残債が少ない、残存期間が少ない場合には、借り換えにかかる手数料や労力の方が大きくなってしまい、ご自身の求めるメリットを十分に享受できない可能性があります。

 

□ライフプラン

子供が増えたため毎月の支出を抑えたい、収入が増えたため返済額を増やして利息の総支払額を圧縮したい、3年後に設備投資でまとまった現金が必要になるため今のうちに現金を残しておきたいなど、ライフプランの変更も借り換えを考える大きなタイミングの一つです。

 

□不動産の価格が上昇したとき

法人向けや個人事業主の方で売上が増加し、追加で事業資金を調達したいとき不動産価格が上昇しているときは、不動産担保ローンの借り換えで現在の借入額より多い金額の融資を今より良い条件で受けられることもあります。

 

 

 不動産担保ローンの借り換えのメリット

一般的には借り換えをすると、以下のようなメリットがあると言われます。

<借り換えのメリット>

・現在のローンより金利が下がり、支払額を抑えられる

・複数のローンを1つにまとめることにより管理が楽になる

 

上記のメリットについて詳しく説明をしていきますので、ご検討いただく際に参考にしていただければと思います。

 

最大3%も下がる?金利の引き下げ効果

借り換えによって金利が下がると、以下のように毎月の支払額を軽減させ、トータルの返済額を抑えることが出来ます。

 

□残高2,000万円、毎月の支払額とトータル返済額 (期間20年)

  金額 金利(年率) 月々の返済額 返済総額
現在 2,000万円 7% 約155,000円 約3,720万円
借り換え例 ① 2,000万円 5.5% 約137,500円 約3,300万円
借り換え例 ② 2,000万円 4% 約121,200円 約2,900万円

上記は一例となりますが、不動産担保ローンの提供金利も金融機関によって様々で、低いものでは概ね年率2~3%台、高いものでは年率10%を超える商品もあります。

金利はその時その時の経済情勢によって大きく左右されますので、高金利時代に借り入れたものをそのまま返済し続けている場合などは、低利の不動産担保ローンに借り換えることによって大きなメリットが生まれるケースもあります。

 

また、現在のように金利が動きやすい時期においては、固定金利を選ぶか変動金利を選ぶかによっても、将来的な返済総額が変わる可能性があります。

以下、金利タイプ別の比較です。

□金利タイプ別の比較表

項目 固定金利 変動金利
金利 一定 定期的に見直される
返済額

市場金利の上昇・下落の影響を受けず定額

(借入の全期間固定金利の商品、一定期間固定金利の商品あり)

その時の適用金利によって変動

・適用金利が上がれば上昇

・適用金利が下がれば下落

向いている人 安定を重視したい人 金利動向に明るい人、短期間で完済する予定の人

 

複数ローンの一本化で管理を簡素化!総返済額を減らすポイント

複数社から借り入れがある場合、それぞれの返済日に合わせた資金繰りが必要となります。

不動産担保ローンの借り換えを行うことで、金利を落とす、月々の返済金額を下げるといったメリットの他、返済日を一つにして資金繰りを安定させるというメリットも生まれます。

一本化の例としては、下記のようなケースが考えられます。

 

借入先 借入金額 月々の返済金額 月々の返済日
不動産担保ローン A社 抵当権1,000万円 10万円 毎月5日
不動産担保ローン A社 抵当権800万円 8万円 毎月5日
不動産担保ローン B社 抵当権500万円 7万円 毎月20日

↓借り換え後

不動産担保ローン C社 抵当権2,300万円 20万円 毎月10日

 

 このように、不動産担保ローンによって複数社からの借入をまとめると毎月の返済額や総返済額を抑えられ、1つにまとめることで、管理の手間が減り、月々の返済を把握しやすくなります。

一方で、期間が長くなることにより総返済額が増えるケースもありますので、その点は注意が必要です。

 

【返済額】月々の返済額を見直し、資金繰りを改善できる

高い金利から低い金利の金融機関へ借り換えることで総返済額を抑えられ、毎月の返済額を減らすことができます。

また、仮に金利が大きく変わらなかったとしても、返済期間を長期に組み直すことができれば、月々の返済額が下がります。

個人の場合、月々の返済が減り生活費や教育費に余裕が生まれます。

法人の場合、返済額を圧縮することで、運転資金や設備投資に回す余裕が生まれ、事業の安定と拡大を図ることができます。

 

【資金使途】担保余力があれば追加融資も可能になる

金融機関によって担保評価の基準や融資基準は異なるため、既存の借入先からは担保余力がないと言われていた場合でも、別の金融機関ならば余力があると判断される可能性があります。担保余力があれば、同じ不動産でも追加融資を受けられる可能性があります。

追加で融資を受けるためには、担保余力があること(取引中に不動産評価が上がったケースも含む)、返済をきちんと続けて信用力が高まっていることが大切です。

運転資金を借りたが、事業拡大のために追加融資を受ける

・投資用不動産で不動産担保ローンを利用中。担保余力を利用して、別の不動産の手付金として追加融資を受ける

 

取引中に担保余力が上がるケースとしては、下記のような例が考えられます。

・新駅の開業や商業施設の開業、立地条件が改善された

・マンションの大規模修繕によって建物の価値が向上した

・若いファミリー層の流入などで地域の需要が高まった

 

 不動産担保ローンの借り換えのデメリットと注意点

ここまで不動産担保ローンの借り換えのメリットについて説明してきましたが、一方で借り換えに伴うデメリットも存在します。

(デメリット)

・登記費用や融資手数料などの新規借り入れに対する初期費用が発生する。

・返済先への繰り上げ返済手数料が発生する。

・金利は下がっても返済期間が延びると返済総額が増える可能性がある

・不動産価値の変動により、希望する融資額を受けられない可能性がある。

・手続きに時間がかかる

・住宅ローンを借り換える場合、「団信」が適用されない可能性がある

 

ここからは不動産担保ローンのデメリットについても具体的に紹介していきます。

 

借り換えにかかる諸費用の内訳と目安

新たな金融機関で融資を受ける際に一般的に以下の費用が発生します。

  内容 費用目安
登記費用 抵当権の設定、借入金の抵当権抹消、司法書士の報酬 数万円~数十万円
融資手数料 新たな金融機関に対して発生 一般的には融資金額の2~3%
中途解約金 現在の借入先への返済

・一律数万円

・残元金に対して数%

収入印紙 新たな金融機関との金銭消費貸借契約に貼付

数千円~10万円前後

(金額により前後)

 

これらの費用を合計すると、想定以上の出費になる場合もあります。そのため、事前にしっかり確認を取ることが重要です。

 

不動産担保ローン借り換えの審査に通るためのコツと注意点

では実際に不動産担保ローンで借り換えを申し込む際に審査に通りやすくなるためのコツと注意点について説明していきます。

①現在の借入先に対する支払が問題なく行われていること

→現在の借入先への返済が通常通り行われているのか、返済が遅れている状態で資金繰りに窮しての借り換えなのかにより、金融機関側の審査スタンスも変わります。遅れている場合には審査のハードルは上がりますが、必ずしも否決になるわけではありませんので、正直に申告するようにしましょう。進めていく中で申告内容と異なる状況が判明した場合には、審査及び融資が取りやめになるケースが多くなります。

 

② 安定した収入があること

→ 個人の場合は年収や勤続年数、個人事業主の場合は確定申告書の売上など、継続的な収入が見込めることが重要です。金融機関によって年収の目安や売上金額の基準を設けている金融機関もあります(例:年収や売上が300万円以上など)。

 

③ 返済負担率が適正であること

→ 年収に対する年間返済額の割合(返済負担率)が、一般的に30〜35%以内に収まる必要があります。

 

④ 信用情報に問題がないこと

→ 過去の延滞や債務整理歴があると審査の上でハードルになります。クレジットカードや他ローンの利用状況もチェックされます。

 

⑤ 担保不動産の評価が十分であること

→ 担保となる不動産の評価額が低いと、希望額を借りられないことがあります。築年数や立地も影響します。

 

⑥ 年齢や健康状態が基準内であること

→金融機関によって完済時の年齢が一定以下(例:80歳未満など)であること、団体信用生命保険(団信)に加入できるかなど健康状態を確認されることがあります。

 

手続きに時間と手間がかかることを覚悟する

手続きには、全体で1~2か月ほどかかります。

申込と書類準備に1~2週間、金融機関の審査に2週間~1ヶ月、契約・登記手続きに1~2週間が目安となります。

 

手間を減らすには

①必要書類(登記簿謄本・収入証明など)を早めに揃える

②既存ローンの残高証明を事前に取得する

③金融機関と連絡をこまめにとり、スケジュールを明確にしておくことが重要です。

 

借り換えのタイミングによっては総支払額が増えるケースも?

残債が少ない段階で借り換えると、手数料や登記費用の負担が金利差の効果を上回る場合があります。また、返済期間を長く設定しすぎると月々の返済額は減っても返済総額が増加し、結果的に損をすることもあります。費用と利息軽減効果のバランスを慎重に見極めることが重要です。

 

以下、シミュレーションを記載します。

■残債が少ないケースで借り換えを行う場合

残債 金利 期間 月々の返済額 返済総額
400万円 8% 5年 81,105円 4,866,330円
400万円 7% 5年 79,204円 4,752,285円
400万円 6% 5年 77,331円 4,639,870円

 

先述の通り、借り換え時には登記費用(新たな抵当権の設定、既存借入先の抵当権抹消)、融資手数料、解約違約金等がかかります。

例で挙げたような400万円の借り換えを行う場合、おおよそ20万円~30万円の費用が合計で掛かる見込みが高く、借り換えにより生まれるメリットを費用面が上回ってしまう可能性があります。

 

■返済期間を長くし過ぎることで返済総額が増加する場合

残債 金利 期間 月々の返済額 返済総額
1000万円 8% 10年 121,327円 14,559,310円
1000万円 6% 10年 111,020円 13,322,460円
1000万円 6% 15年 84,385円 15,189,420円

 

現在、1,000万円を8%で借り入れていて、借り換えにより6%の金利となった場合、当初と同じ10年という借入期間で組んだ場合であれば、100万円以上の金利差が生まれていることがお分かりになるかと思います。

逆に、月々の返済額を重視して10年から15年に期間を延ばした場合、返済総額は当初予定を上回ることになります。

 

 不動産担保ローン借り換えの全ステップ|期間や注意点も解説

ここからは実際に借り換えをする場合、本審査までの流れについて説明していきます。

具体的には以下の3つのステップの順に進んでいきます。

 

ステップ① 残ローンの残高の確認

ステップ② 仮審査の申込

ステップ③ 本審査の申込

 

 

借り換えの準備の3ステップ|仮審査までの進め方

新たな金融機関に相談し仮審査の申込をするに際して、以下の順番に進めていくとよいでしょう。

①現在借入先の金融機関の残高がいくらあるのか、

②繰り上げ返済時の手数料はどの程度かかるのか

③新たな金融機関へ問い合わせ、仮審査の申込

 

仮審査の申込は複数の会社に申し込むことで、金利・融資額・審査基準を比較でき、自分に最も有利な条件を選べます。また、仮審査は信用情報に影響が少なく、複数申込をしてもリスクが低い点もメリットです。

 

【ステップ別】審査から融資実行までの期間と流れ

仮審査の申込から融資実行までの期間と一般的な流れについてお伝えします。

①     仮審査(約1~2日)

仮審査申込時は申込人の基本情報(年収・現在の借入状況・物件情報など)を伝え、金融機関にて融資可能性や融資可能額の目途を簡易的に判断されます。

②     本審査(約2週間~1ヶ月)

担保不動産の評価(現地調査)や信用情報をもとに、融資額・金利や返済期間など正式条件が決定されます。場合によって、追加書類の提出を求められる場合もあります。

③     契約・融資実行(約1~2週間)

本審査承認後は新たな金融機関で融資を受けるべく契約段取りを行いますが、ここで注意点がございます。借り換えをする際は、現在の借入先の一括返済日に合わせて新たな金融機関と金銭消費貸借契約を行うため、まずは現在の借入先の金融機関へ一括返済の申し出を行います。

融資実行は現在の借入先の完済日が決まったら、その間に新たな金融機関と金銭消費貸借契約を締結し完済日に合わせて新たな金融機関で融資が実行されます。

 

実行日の決め方と完済の手順

不動産担保ローンの場合、借入を全額返済すると抵当権の抹消を行う必要があります。担保抹消に関する書類の準備期間もあるため、返済の申し出をしてからすぐに一括返済ができるわけではなく、申し出から一定期間を空けて返済を行うのが一般的です。(一括返済時の事前申し出については、契約書に記載されています)

まず現在の借入先に連絡し、一括返済の日程を確定させた上で新たな金融機関との契約を進めるようにしましょう。

 

 不動産担保ローンの借り換えに必要な書類

一般的にお申込する際の必要書類については以下の書類が必要になります。

・本人に関する書類

・不動産に関する書類

・現在借入先の金融機関との書類やその他

 

以下、各書類についての詳細を記載します。

 

本人確認・収入証明の提出リスト

【本人に関する書類】

・本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど)

・住民票(発行後3か月以内)

・印鑑証明書(発行後3か月以内)

・収入証明書(源泉徴収票、確定申告書など)

 

【その他】

・既存ローンの返済予定表または残高証明書

・団体信用生命保険の告知書(加入する場合)

 

不動産関連で必須の書類と取得方法

・権利書

・登記簿謄本(全部事項証明書)→法務局で取得、費用は1通600円

・公図・地積測量図・建物図面・マンションの場合は間取図→法務局で取得、費用は1通500円

・固定資産税評価証明書→市役所や都税事務所(23区の場合)で取得、費用は200~400円程

これらの書類はどの金融機関にとっても必須と言える書類です。

書類によって管轄する役所が異なりますが、自分自身で出向いて手数料を支払えば、その場で発行されます。

出向く時間が無い場合には郵送で取得することもできますが、郵送申請から手元に来るまでは1~2週間ほどかかるのが一般的です。

上記書類の他、担保となる不動産が賃貸不動産の場合には、賃貸借契約書の写しや賃料収入の明細、物件購入資金の場合には売買契約書、リフォームや建築資金の場合には建築請負契約書等が必要となります。

また、借地の場合は、借地権の契約書や地代の支払いを確認できる資料、さらに地主さんの承諾書が必要になるケースがあります。

金融機関は第三者の権利関係を重視するため、権利関係の明確化が審査通過の鍵になります。

 

法人借り換えで追加で必要な書類

法人で融資を申し込む場合には、上記の書類に加え、

・代表者の本人確認書類

・法人の履歴事項証明書(商業登記簿謄本)→法務局で取得、3か月以内のもの、費用は1通600円

・定款

・決算書(3期分)、試算表

・事業計画書

これらの書類が必要となります。事前に準備を整えた上で臨むようにしましょう。

 

 不動産担保ローンの借り換えに適した金融機関

不動産担保ローンの借り換えを検討する際は、「金利の低さ」「融資スピード」「審査の柔軟性」を重視すると良いでしょう。「金利の低さ」を重視するには銀行・信用金庫、「融資スピード」や「審査の柔軟性」を重視するにはノンバンクを検討するのがおすすめです。借り換えを成功させるためには、複数の金融機関の条件を比較し、自身の資金計画に合った選択をすることが重要です。

以下、銀行・信用金庫と、ノンバンクの特徴を比較していきます。

 

【銀行・信用金庫】金利・審査・スピードを比較!向いている人の特徴

「金利の低さ」を重視している方には銀行・信用金庫がおすすめです。

ただし、金利が低い分審査が厳格なのも特徴です。一般的には審査に1ヶ月ほどかかると言われ、審査も特に収入の安定性や信用力が重視されます。法人の場合には業歴が一定以上あり、売上・利益が安定している企業、個人の場合には勤務歴の長いサラリーマンや公務員の方に向いています。

 

ノンバンクの審査基準と活用方法

一方、ノンバンクは審査基準が柔軟で、融資までのスピードが速いのが特徴です。審査は最短3日程度、融資実行まで1週間ほどで対応するノンバンクもあります。信用力よりも不動産の担保価値を重視するノンバンクも多く、赤字決算の法人や事業収入が少ない個人事業主でも返済可能と判断される材料があれば融資を受けられる可能性があります。ただし、ノンバンクは銀行よりも金利が高めに設定されることが多いため、返済計画を慎重に立てる必要があります。

 

参考程度ですが、各金融機関の特徴を表にすると下記のような形となります。

  金利 審査難易度 融資スピード
銀行・信用金庫 高め 長め
ノンバンク 柔軟 早い

 

複数の金融機関を比較することは重要ですが、時間に余裕があり、金利を重視する場合には銀行や信用金庫を、スピードや審査の柔軟性を重視する場合にはノンバンクを中心に検討されることをお勧めします。

 

目的別!不動産担保ローン金融機関の選び方【比較ポイント3選】

それでは審査を申し込む際に失敗しないためのポイントについて3つお伝えしていきます。

「金利」

各金融機関の金利を見る際には、下限金利だけでなく上限金利も含めて比較するようにしましょう。また、契約金利だけでなく、融資にかかる手数料なども併せて検討することが重要です。

 

「融資スピード」

比較的時間に余裕がある方は銀行・信用金庫などの金融機関にまず相談するのもよいでしょう。一方、急ぎの資金の場合は銀行・信用金庫では融資を希望する日までに間に合わない可能性もありノンバンクへ相談するほうが融資の可能性が高まります。

 

「審査の柔軟性」

自身の収入や信用履歴にあった審査基準を持つ金融機関を選ぶことで融資の可能性が高まります。ノンバンクの不動産担ローンは、不動産の担保余力も加味したうえで柔軟に対応しているケースが多いため信用履歴に問題がある場合は、ノンバンクへ相談するほうが融資の可能性が高まります。

 

 不動産担保ローンの借り換え審査は厳しい?通過するための基準を解説

不動産担保ローンの借り換え審査で特に重要視される基準については以下のポイントがあります。

①申込人の年収や年齢

②LTV(ローン比率)

③信用情報・個人や法人代表者の信用状況

 

審査通過のコツは、安定した収入を示す資料の準備や、他の借入を減らして返済比率を下げることです。一方、延滞歴がある人や、担保評価が借入額を下回る人、収入が不安定な人は審査に落ちやすい傾向があります。

 

年収・年齢別の審査通過ラインと有利に進めるコツ

個人で不動産担保ローンの借り換えをする場合には、年収400万円前後が一つの目安をされます。年収が低い場合は、返済比率を下げるために借入額を抑える、共同名義にして配偶者の収入を合算する方法が有効です。完済時の年齢上限は多くの金融機関で75~80歳程度に設定されています。高齢の場合は返済期間を短くする、または相続を見据えた計画を立てることが重要です。無理な長期返済を求めると審査落ちや返済リスクにつながります。

 

物件価値はどう決まる?評価方法と評価額を上げるコツ

不動産担保ローンにおいて、不動産評価は審査の中核です。銀行では「厳格な基準」で公示価格や路線価を重視し、保守的に評価する傾向があります。一方、ノンバンクは市場実勢価格や将来の売却可能性を重視し、柔軟に評価する場合が多いです。評価額を上げるには、物件の管理状態を良好に保ち、外壁や屋根の修繕、室内の清掃などで印象を改善することが有効です。また、近隣の成約事例を提示して実勢価格を示すことも評価アップのポイントになります。

 

返済履歴が審査に与える影響

個人・法人ともに、返済履歴は借り換え審査に大きな影響を与えます。個人の場合、過去のローンやクレジットカードの支払いに延滞や事故情報があると、「返済能力に問題あり」と判断され、借り換えの審査のハードルが上がります。信用情報機関で過去の履歴が確認されるため、たとえ小さな延滞でもマイナス評価となることがあります。法人の場合も同様で、既存借入金の返済遅延やリスケジュール(条件変更)の記録があると、財務状態に不安があると見なされます。特に法人は、銀行やノンバンクとの取引履歴も審査対象となり、代表者個人の信用情報まで確認されることが一般的です。信用力の高さは借り換え成功の鍵となります。

 

【要注意】赤字決算や税金滞納があると審査は厳しい?対策を解説

赤字決算の場合でも、不動産担保ローンの借り換えを通過する可能性はあります。重要なのは、赤字の理由と今後の改善見込みを明確に示すことです。事業計画書を充実させ、売上回復の根拠やコスト削減策を具体的に記載することで、将来的な返済能力をアピールできます。また、担保不動産の評価が高ければ、収入面の不安を補う材料となります。

一方で、税金滞納があると審査では大きなマイナス要因となります。差し押さえや公的滞納は信用情報に悪影響を及ぼすため、まずは滞納分を完納するか、分納の合意を取り付けて解消に向けていることを証明することが必要です。誠実な対応姿勢を示すことが、金融機関からの信用回復につながります。

 

審査に落ちてしまった場合の次の対策は?

審査に落ちてしまった場合は、まず落ちた理由を確認することが重要です。金融機関は具体的な理由を明示しないことが多いですが、信用情報の開示や収支状況、担保評価を見直すことで原因を把握できます。改善策としては、他の借入整理、事業計画書の改善などが有効です。別の金融機関を選ぶ際は、審査基準が柔軟なノンバンクを検討し、必要書類の精度を高めることで審査通過率を上げられます。

 

 2025年の不動産担保ローンの借り換えの最新動向

2025年は、アメリカのトランプ関税の影響や日銀の政策金利引き上げ等で長期金利が上昇し、金融機関が提供するローン金利も上昇傾向にあります。特にこれまで低金利に抑えられていた変動金利は今後上昇する可能性もあるため、これから借り換えを検討される方は注意が必要です。

 

金利上昇で変化する借り換えのメリット

現在変動金利で借り入れされている方は、借り換えを検討する際に固定金利も検討してみてはいかがでしょうか?

返済額の増加リスクを避けたい方は、固定金利のローンも検討することもおすすめします。固定金利であれば、将来の金利変動に左右されず、安定した返済計画を立てることが可能です。

 

今後の金利予測と借り換えのチャンス

日銀の利上げにより、多くの金融機関の金利が上昇しておりこの傾向は今後も続く可能性が高いと見られます。このような金利上昇局面では、固定金利への借り換えを検討することで、将来の返済額を安定させることが可能です。

借り換えには始めの準備から融資まで1~2か月程度かかるため、早めの行動が重要です。今後の金利上昇に不安を感じる方は、複数の金融機関の金利を比較し、早めの借り換えを検討することをおすすめします。

 

 【失敗事例から学ぶ】借り換えで損をしないための注意点

不動産担保ローンの借り換えでは、諸費用を考慮しないことで損をするケースがあります。たとえば、金利を下げる目的で借り換えたが、登記費用・融資手数料・保証料などの諸費用が100万円近くかかり、残債が少なかったため金利差の効果を相殺し、結果的に総返済額が増えた事例があります。また返済期間を10年から20年に延ばした結果、月々の返済は楽になったものの、支払利息総額が200万円以上増えたケースもあります。さらに、審査通過後に金利条件や担保評価が見直され、当初より金利が上がったり融資額が減額された事例もあります。借り換え時は、金利だけでなく諸費用や返済期間の総コストを試算し、契約条件の最終確認を怠らないことが重要です。

 

 不動産担保ローンの借り換えに関するよくある質問

最後に不動産担保ローンの借り換えに関するよくある質問についてまとめます。

参考にしていただければと思います。

 

借り換えにかかる費用の相場は?

不動産担保ローンの借り換えには、いくつかの費用がかかります。主なものは、抵当権抹消・設定の登記費用(登録免許税や司法書士報酬など)、融資手数料(借入額の2%程度)、収入印紙代(契約書に貼付、2千円~10万円ほど)です。加えて、繰り上げ返済手数料(金融機関によって返済額の0~3%ほど)がかかることもあります。全体としては新たに融資を受ける金額の5%程が相場ですが、借入額や金融機関によって上下します。借り換えで金利が下がれば、数年で元が取れるケースも多いため、トータルの費用対効果を見て判断することが大切です。

 

借り換え後の繰り上げ返済はできる?

多くの金融機関では繰り上げ返済は可能です。繰り上げ返済には「期間短縮型」と「返済額軽減型」があり、どちらを選べるかは金融機関により異なります。注意点として、繰り上げ返済手数料がかかるケースもあるため、事前に条件をよく確認することが大切です。また、一部返済には最低返済額の設定(例:10万円以上)があることもあります。繰り上げ返済を効果的に使うことで、総返済額の軽減や完済時期の短縮につながりますが、生活資金を圧迫しない範囲で計画的に行うことが大切です。借り換え時に、繰り上げ返済の条件を確認しておくと安心です。

 

見落としがちな注意点は?

最後になりますが見落としがちな注意点として、トータルコストの比較をせずに表面の金利だけで判断することです。たとえば、金利が下がっても、登記費用や手数料、繰り上げ返済手数料などが高くつくと、実際のメリットが小さいこともあります。また、借り換えによって返済期間が延びると、毎月の負担は軽くなっても返済総額が増える場合もあるため注意が必要です。さらに、借り換えで新たに審査があるため、既存借入の返済中に信用情報に傷がつくような返済の遅れ等が生まれないよう、注意するようにしましょう。

借り換え時には金利だけでなく、諸費用・返済期間・審査条件を総合的に比較することが大切です。

 

 まとめ

不動産担保ローンの借り換えは、金利の引き下げや返済負担の軽減につながる有効な手段です。ただし、借り換えに伴い諸費用がかかる、審査条件によって希望する金額に届かない、返済期間が延びて月々の返済額は軽減されたものの、総返済額は増えてしまうリスクなども踏まえ総合的に判断することが重要です。メリットだけでなくデメリットも理解し、計画的に借り換えを行うことで、より安定した資金管理が可能になります。信頼できる金融機関や専門家に相談しながら、慎重に進めることをおすすめします。

 

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