不動産担保ローンが通らない理由と対処法を徹底解説!
不動産担保ローンを検討している方の中には「審査に通るのだろうか?」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。そもそも審査基準がよくわからず、どう備えればいいのか悩んでいる方も少なくありません。 不動産担保ローンとは、土地や建物、マンションなどの不動産を担保にして融資を受けるローンのことです。担保がある分、無担保ローンよりも高額な融資を低金利で受けやすいというメリットがあります。担保に出せる不動産を所有している場合は、有効に活用したいローンです。 この記事では、不動産担保ローンの審査基準や審査に通らない原因を解説します。万が一審査に通らなかった場合の対策についても紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。 |
不動産担保ローンの審査基準
不動産担保ローンの審査では、単に担保があるというだけでは審査に通りません。金融機関は主に以下のポイントを見て融資が可能であるかを判断します。
- 返済能力・信用情報
- 担保となる不動産の価値
これらの基準はそれぞれ独立しているわけではなく、互いに補完し合う関係にあります。たとえば、返済能力が多少不足していても、担保となる不動産の価値が高ければ「万が一返済ができなくなっても不動産を売却すれば回収できる」と判断され、融資が認められることがあります。
一方で、担保物件の評価がやや低くても、年収が安定していて信用情報にも問題がなければ、借入希望額を調整することで融資が通るケースもあるでしょう。
それぞれを相関図で表すと下記のようなイメージとなります。
返済能力 | ◎ | △ | ○ |
△ |
△ |
担保価値 | △ | ◎ | △ |
○ |
△ |
判断 | ○ | ○ | △ | △~○ |
× |
返済能力:◎=収入が安定しており、信用情報も問題が無い ○=収入面、信用情報に概ね問題が無い △=収入面、信用情報にやや懸念がある
担保価値:◎=担保価値が高い ○=担保価値に問題がない △=担保となる不動産の価値が低いor流通性に懸念がある
判断:○=概ね問題無く進められる △=希望条件に満たない可能性がある ×=進めるのが難しい、希望条件から離れた条件を提示する可能性大
それぞれの内容について順にみていきます。
返済能力の判断基準
不動産担保ローンの審査では、まず「返済能力」を入念にチェックされます。中でも、十分な収入があることや、安定した収入が継続して見込めることが重要なポイントです。
この返済能力を測る際の代表的な指標が「返済比率」です。これは、年収に対してローン返済がどれだけ負担になっているかを表すもので、以下の計算式で求められます。
【返済比率の計算式】 年間のローン返済額 ÷ 手取り年収 × 100 |
たとえば、手取り年収が800万円、年間のローン返済額が200万円の場合、返済比率は25%となります。返済比率の目安は30〜35%以下とされており、35%を超えると審査に落ちる可能性が高くなるといわれています。
また、職業ごとに収入の安定性が異なるため、以下のように職業別の評価傾向もチェックされることになるでしょう。
業種 | 安定性の評価 |
公務員 | 非常に高い |
大手企業 | 高い |
中小企業 | 普通~やや低め |
自営業者 | 低め |
なお、返済能力が不足していると判断された場合には、以下のような対策が効果的です。
- 借入金を整理・返済する
- その他の資産状況(預貯金や株式などの有価証券)を提示する
- 副業などで収入を増やす
これらの工夫により「返済能力」に不安がある方でも、審査に通過しやすくなります。
担保となる不動産の評価基準
不動産担保ローンでは、担保とする不動産の価値が高ければ高いほど審査に通りやすくなります。これは、万が一返済が滞った場合でも、ローン会社が不動産を売却して資金を回収できるためです。
評価の際には「路線価」や「固定資産評価額」などの公的な基準のほか、実際に市場で取引されている「実勢価格」も参考にされます。
そのうえで、金融機関が独自に設定している「掛目(60~80%)」を乗じて担保評価額が決まります。たとえば、不動産評価額が3,000万円、担保掛目が70%の場合の担保評価額は、2,100万円です。
また、評価基準は不動産の立地・築年数・用途によって大きく異なります。
以下に主な評価ポイントをまとめました。
評価項目 | 評価が高くなる条件 |
立地 |
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築年数 |
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用途 |
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このように、担保不動産の評価はさまざまな要素で決まりますが、物件の状態によっては評価額を引き上げることも可能です。以下に、担保評価額を高めるための主な改善ポイントになります。
- 外壁や屋根の塗装を塗り直す
- 水回り(キッチン・浴室・トイレ)をリフォーム
- 建物の耐震性を強化する
こうした改善を行い、物件の状態を整えておくことで審査での評価が高まり、融資が通りやすくなるでしょう。
不動産担保ローンが通らない理由
不動産担保ローンは担保があることで融資が有利になるのは確かですが、実際には担保を差し入れても審査に通らないケースも珍しくありません。
審査に落ちる主な理由としては、次の3つが挙げられます。
- 信用情報に問題がある
- 収入が不安定
- 他社からの借入が多い
それぞれの理由に対して、どのような対策を取ればよいのかを以下でまとめています。
理由 | 主な対策 |
信用情報に問題がある |
信用情報を確認し、延滞などがあれば完済・解約する 今後の支払いを確実に行う |
収入が不安定 | ノンバンクなど、収入基準が比較的柔軟な金融機関を選ぶ |
他社からの借入が多い | 不要な借入を整理・返済する |
それぞれの理由について次項で詳しく解説します。
信用情報の影響
不動産担保ローンの審査では、担保物件の価値だけでなく、申込者自身の信用情報も重視されます。信用情報とは、ローンやクレジットカードの契約や返済履歴などの記録のことです。
たとえば、携帯料金やカードローンの支払いを延滞した履歴がある場合「滞納リスクが高い」と判断されることがあります。また、過去に債務整理(任意整理・個人再生・自己破産など)を行っていた場合も、審査で不利になってしまう可能性があります。
信用情報の回復には5~10年程度かかるといわれていますが、次のステップを実践し、信用力を少しずつ積み上げることが大事です。
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信用情報の記録は時間とともに回復するため、焦らず対処していきましょう。
他社借入が審査に与える影響
他社からの借り入れが多いと、不動産担保ローンの審査に通りにくくなります。その理由の1つが返済比率の上昇です。複数の借入を抱えていると、借入残高の総額がさらに膨らみ、返済比率が上昇してしまいます。
また、借入件数が多いと金融機関から「資金繰りに困っているのではないか」という不安を持たれ、信用評価が下がる要因にもなるでしょう。
他社借入の影響を軽減するには、以下のような対策が有効です。
- 不要なカードローンやキャッシング枠を解約する
- 少額の借入をまとめて一括返済する
- 繰上返済を活用し、返済残高を減らす
- 複数の借入を「おまとめローン」などで一本化する
これらの対策により、返済比率の改善と信用評価の向上が期待できます。
不動産担保ローンの審査に通らない場合の対処法
不動産担保ローンの審査に落ちたとしても対策はまだあります。
まず検討したいのが、別の金融機関への申し込みです。特にノンバンクのように不動産担保ローンに特化した金融機関は、銀行に比べて審査基準が柔軟でスピーディーな対応をしてくれるケースも多いです。
たとえば、過去に銀行で審査に落ちた方が同条件でノンバンクに申し込んだところ、年収や勤続年数よりも担保評価を重視された結果、融資が実行されたというケースも珍しくありません。
【銀行とノンバンクの比較】
銀行 | ノンバンク | |
審査基準 | 厳しい | 柔軟 |
融資までのスピード | 遅め(数週間以上かかることも) | 早い(最短で数日の金融機関もあり) |
金利 | 低い | やや高め |
このように、申し込み先を変えるだけでも、融資の可能性が広がることも十分にあり得ます。次項では、その他の具体的な対処法についても紹介していきます。
担保物件の変更による改善
より担保価値が高いと見込まれる物件を保有している場合は、その物件に変更して再度審査を申し込むことで、審査に通る可能性が高まります。
融資審査において、担保評価が高くなりやすい不動産には以下のような特徴があります。
- 築年数が浅い
- 都心部に立地している
- 駅から徒歩圏内にある
もしこのような物件を他にも所有している場合は、差し出す不動産を見直してみるのも選択肢の1つでしょう。
また、金融機関によっては「追加担保の提供」に対応している場合もあります。
たとえば、評価額がやや足りないときに、別の所有不動産を併せて担保に差し入れることで、希望融資額に届く可能性が高まります。
融資希望額の調整
不動産担保ローンの審査に落ちた場合、希望していた融資額を減らして再申請することも有効です。融資額を下げることで返済額も軽くなり、返済比率が下がるため、審査に通りやすくなります。
たとえば、当初5,000万円の融資を希望していた方が、3,500万円に減額して再申請したところ、返済能力とのバランスが評価されて融資が実行されたという事例もあります。
減額の際は次の点に注意しましょう。
- 返済比率を30〜35%以内に抑える
- 不足分の補填方法(自己資金など)も検討しておく
もし担保不動産の評価よりも希望する融資額が大きすぎる場合は、金額を調整して再申請してみるとよいでしょう。
不動産担保ローンの審査に関するよくある質問
最後に不動産担保ローンについてよくある質問についてみていきます。
Q. 不動産担保ローンの審査で落ちる確率は何%ですか?
A. 不動産担保ローンの審査で落ちる確率は明確に数値で示すことはできません。審査基準は金融機関ごとに異なり、申込者の信用情報、収入状況、担保不動産の評価などによって大きく変わります。
なるべく審査に通りたい場合は、柔軟な対応が可能なノンバンクの利用を検討してみるとよいでしょう。
Q. 融資が実行されるまでの期間はどのくらいですか?
A. 銀行を利用する場合、審査や書類手続きに時間がかかるため、融資まで数週間かかることもあります。一方で、ノンバンクは手続きが比較的スピーディーで、数日以内に融資が実行されるケースも珍しくありません。
たとえば、ノンバンクのアサックスでは、最短3日での融資が可能です。
不動産担保ローンの審査に通らない理由には「信用情報に問題がある」「収入が不安定」「他社からの借入が多い」などが挙げられます。信用情報を確認し、延滞があれば完済・解約しておくことが大切です。審査に落ちた場合は、担保物件の変更や融資希望額の調整も有効な対策となります。
また、審査に不安がある方や、できるだけ早く資金を調達したい方は、柔軟な対応とスピード感に強みを持つノンバンクの金融機関に相談するのがおすすめです。状況に応じた対策を進めることで、融資を受けられる可能性が広がるでしょう。
まとめ
不動産担保ローンの審査に通らない理由には「信用情報に問題がある」「収入が不安定」「他社からの借入が多い」などが挙げられます。信用情報を確認し、延滞があれば完済・解約しておくことが大切です。審査に落ちた場合は、担保物件の変更や融資希望額の調整も有効な対策となります。
また、審査に不安がある方や、できるだけ早く資金を調達したい方は、柔軟な対応とスピード感に強みを持つノンバンクの金融機関に相談するのがおすすめです。状況に応じた対策を進めることで、融資を受けられる可能性が広がるでしょう。