自営業の年金は少ない?知らないと損!受給額を増やすための対策とは?

| 自営業者の年金は「会社員より少ない」と聞くものの、実際にどのくらいもらえるのか、何をすれば増やせるのかを正確に理解している人は多くありません。本記事では、自営業者が加入する国民年金の仕組みから、会社員との違い、将来の受給額の目安、年金を上乗せする具体的な方法までを分かりやすく解説します。老後資金に不安を感じている方は、ぜひ参考にしてください。 |
自営業者が入る年金って、会社員と何が違うの?
日本の公的年金制度には、大きく3つの種類(現在は2つに統合)があります。
① 国民年金(基礎年金)
日本に住む20〜60歳のすべての人が加入する「基本の年金」
自営業者・学生・フリーター・会社員・公務員、全員が対象
掛金は収入金額によらず一律。2025年度は月額17,510円
② 厚生年金
原則として 会社員・公務員 が加入
給料に応じて掛金が決まる(会社と折半)
基礎年金に上乗せで支給され、収入が高いほど将来の年金が増える
③ 共済年金(※現在は厚生年金に統合)
以前は公務員・私学教職員が加入していたが→ 2015年に厚生年金へ統合
今は「厚生年金の一部」として扱われている
自営業者は国民年金のみに加入しますが、会社員は国民年金に加え厚生年金にも加入する点が大きく異なります。
国民年金の制度について、厚生年金との違いについて、自営業者と会社員で異なる配偶者の扱いについて、次条以下で詳しく説明いたします。
自営業者が加入するのは「国民年金」
先述の通り、自営業者は国民年金のみに加入します。正確には【 国民年金第1号被保険者】 という分類となります。
<国民年金(第1号被保険者)とは>
日本に住む20~60歳のすべての人が加入する国民年金制度のうち、自営業者など(下記に主な対象者を記載)が加入する区分です。
対象者:自営業者(個人事業主)、フリーランス、農業従事者、学生、パート・アルバイトで厚生年金がない人、無職の人
保険料:2025年度の保険料は、月額 17,510 円。定額ですが、「物価変動率や賃金の伸び」に応じて毎年度見直しとなります。
支給される年金:老齢基礎年金(65歳~)・・・40年間満額加入で年額831,696円(2025年度実績)、障害基礎年金、遺族基礎年金
付加年金(任意):自営業者なら月400円を上乗せするだけで、受給額が増える制度
※第2号被保険者…会社員や公務員など厚生年金に加入している人。国民年金+厚生年金。
※第3号被保険者…第2号被保険者に扶養されている、年収130万円未満の20歳以上60歳未満の配偶者。保険料の納付義務はないが、受給はできる。
会社員の厚生年金との仕組みの違いは?
国民年金(主に自営業・フリーランスなどが加入)と厚生年金(主に会社員・公務員などが加入)の仕組みの主な違いを説明します。
<国民年金と厚生年金の主な違い>
| 国民年金 | 厚生年金 | |
| 加入対象 | 日本国内に住む20~60歳全員(第1号~第3号被保険者) | 会社員・公務員が勤務先を通じて加入(第2号被保険者) |
| 保険料 | 2025年度:17,510円/月 |
・給与収入に比例 ・勤務先と折半 ・給与が高いほど保険料も高いが、会社が半分負担してくれるため負担感は小さめ |
| 受給額 |
原則、満額で年約83万円(2025年度) 一律で、収入による増減は無い |
・報酬比例の為、給与が高く加入期間が長いほど受給額も増える ※会社員は国民年金+厚生年金となるため、国民年金よりも受給額が大きくなる |
| 付帯保障の違い | 障害基礎年金、遺族基礎年金のみ |
・障害厚生年金、遺族厚生年金 ・基礎年金に上乗せして支給 ・基礎年金よりも保障内容が充実している |
| 加入手続きと支払方法 | 自分で役所にて加入手続きを行い、保険料も自分で納付 | 会社が加入手続きを行う。給与から天引きされ、会社が半分負担 |
会社員は全国民が加入する国民年金に加え、厚生年金(勤務先が保険料を半分負担)がそこに上乗せされる形です。
厚生年金の方が金額や保障内容が手厚い点も特徴と言えます。
自営業者の配偶者(妻・夫)の年金はどうなる?
自営業者の配偶者(妻・夫)の年金は、基本的に「国民年金(第1号被保険者)」になるのが原則です。会社員の配偶者とは扱いが大きく異なります。
① 自営業者本人が第1号被保険者なので、その配偶者(専業・パートなど収入が少ない場合でも)も 第1号被保険者 になります。
つまり、配偶者も国民年金保険料を自分で毎月払う必要があり保険料は全員同じです。
② 会社員の配偶者(第3号)とは違う点
会社員の配偶者で年収130万円未満の場合は「第3号被保険者」になり、年金保険料を払わなくてよいシステムがあります。しかし自営業者の場合はこの制度が使えません。
自営業者の年金、将来いくらもらえる?
自営業者(国民年金第1号被保険者)の場合、将来もらえる年金額は基本的に「国民年金(老齢基礎年金)」が中心です。会社員のような厚生年金は原則ありません(加入すれば「国民年金基金」「iDeCo」などで上乗せ可能)。
以下、国民年金の保険料、将来の受給額、会社員との受給額の差、受給額が減ってしまうケースについて説明していきます。
毎月支払う国民年金保険料の金額
国民年金 の毎月の保険料は、2025年度(令和7年度)では月額 17,510円です。
所得に関係なく一律です。
加えて任意で 付加年金 を申し込むと、月+400円 を追加で払うことで、将来もらえる年金額を増やすこともできます。
年金額は1年間あたり「200円×付加保険料を納付した月数」となります。
例えば40歳から65歳までの25年間、毎月400円の付加年金を収めた場合には400円×12ヶ月×25年間=120,000円の納付金額に対し、年間60,000円(200円×12ヶ月×25年間)の給付を受けることができます。
2年間で支払った金額の元を取ることができ、それ以降は払い込んだ金額以上のお金を受け取れることになります。
ただし、過去に免除を受けていたり、納付が遅れた期間があると、将来受け取る年金(老齢基礎年金)の額に影響があります。
満額でいくらもらえる?令和6年度の受給額をシミュレーション
令和6年度の満額(40年間納付した場合)の受給額
満額の月額:約 68,000円
満額の年額:約 816,000円/年(68,000円/月)
つまり、65歳以上で満額受給できれば、年間でおおよそ 816,000円、月あたり 約68,000円 を受け取る計算になります。
<受給額は「納付月数」で変わる>
実際にもらえる年金額は、保険料を納めた期間(または免除・猶予された期間の扱い)に応じて按分されます。
30年分(360月)納めた場合・・・満額×30年/40年=およそ 612,000円
20年分(240月)納めた場合・・・満額×20年/40年=およそ 408,000円
(実際の計算式は「満額 × 納付月数 ÷ 480」で求められます)
なお、保険料免除の期間がある場合は、その内容に応じて減額されるか、ある程度の年金額に反映される場合があります。
<補足>
「満額」の前提は、20〜60歳までの40年間、きちんと納付した場合。途中で免除や猶予があったり、途中加入だったりすると満額にはなりません。
受給開始時の年齢(65歳など)、物価・賃金の変動による年金額の見直し、税金・社会保険料の控除などで、実質の手取り額は多少前後します。
会社員の厚生年金と受給額を比較
<国民年金と厚生年金の仕組みの違い>
国民年金は「定額保険料(月額一律負担)」で、納付月数に応じて受給額が決まる制度。
厚生年金は「報酬比例」で、現役時代の給与や賞与、加入月数に応じて将来の年金額が決まる制度。加えて、厚生年金加入者は国民年金の基礎年金部分もあわせて受け取る。
以下、国民年金のみの場合の受給額と、国民年金+厚生年金(一般的な会社員など)の場合の受給額の目安を表にしたものです。
尚、シミュレーションは年収500万円のまま変動なく、厚生年金に40年間加入した場合の試算です。
<受給額の目安>
| 加入形態 / 状況 | 年金の種類 | 月額または年額の目安 |
| 国民年金のみ(40年納付で満額) | 老齢基礎年金 | 年間 約83万円(月額6.9万) |
| 国民年金+厚生年金 (会社員・公務員など) | 老齢基礎年金+老齢厚生年金 | 年間 約191万円(月額15.9万) |
つまり、国民年金のみを受け取るケースでは「月約7万円」が典型的な満額。
一方、厚生年金加入者であれば、収入や加入期間によっても変動しますが、国民年金のみの場合と比較してずっと多くなる可能性があります。
<なぜ差がこれだけ出るのか>
国民年金は「一律負担・一律給付(納付月数に応じて按分)」 ・・・ 収入金額にかかわらず同じ条件。
厚生年金は「報酬比例」・・・現役時代の給与や勤務期間が多く、長ければその分将来の年金も多くなる。また厚生年金加入者は、国民年金の基礎年金部分 + 厚生年金部分の両方を受け取る二重構造。
保険料の未納・免除期間があると受給額は減る
国民年金で保険料の「未納」や「免除」期間があると、将来の年金受給額は減ります。
ただし、「未納」と「免除(全額・一部)」では扱いが大きく違うため注意が必要です。
未納期間 → 老齢基礎年金受給額に一切反映されない
保険料を「未納」のままにしている期間は、将来の年金額にカウントされず、受給資格期間にも含まれないため、未納は最も損をする扱い です。
免除期間 → 一部は年金額に反映される
免除とは経済的に納付が困難な場合に、申請を行うことで国民年金保険料の全部または一部支払いが免除される制度です。免除申請が承認されると、その期間の支払が全額または一部免除され、かつ免除された金額の一部は老齢年金に反映されるため未納よりもはるかに有利です。
免除には4種類あり、反映率が違います。
| 免除区分 | 老齢基礎年金の反映率 | |
| 全額免除 | → | 4/8(50%)反映 |
| 4分の3免除 | 5/8(62.5%)反映 | |
| 半額免除 | 6/8(75%)反映 | |
| 4分の1免除 | 7/8(87.5%)反映 | |
その他:学生納付特例・若年者納付猶予
老齢基礎年金受給額には 反映されないが受給資格期間にはカウントされる。
また、後から追納すれば満額扱いにできる(原則10年以内)
具体的にどれくらい差が出る?
国民年金の満額(40年=480月)は約82万円/年(令和6年度実績)
例:未納が5年間(60月)あった場合
→ その60月分は0として計算
→ 年金額が 約82万円 ×(420/480)=約71.8万円/年に減少
例:5年間の全額免除があった場合
→ 反映率50%
→ 年金額は 約82万円 ×(450/480)=約76.9万円/年
未納より免除の方が有利になることが分かります。
まとめ
| 状態 | 年金額の扱い | 受給資格期間(10年) |
| 未納 | 0として扱われる(完全に損) | カウントされない |
| 免除 | 一部反映(50~87.5%) | カウントされる |
| 猶予・学生特例 | 0反映(追納すれば満額扱い) | カウントされる |
自営業者の場合における将来の年金を増やすための施策
自営業者(国民年金第1号被保険者)が将来の年金を増やすためには、公的年金の上乗せ+税制優遇制度+老後資産形成を組み合わせるのが最も効果的です。
会社員と違って厚生年金がないため、自営業者は手を打たないと老後の年金額は「国民年金のみ(満額でも月約6.8〜7万円)」となり、生活資金は大きく不足します。
以下、効果が高い施策をわかりやすくまとめます。
1. 国民年金基金
自営業者専用の公的な上乗せ年金。
将来受け取る年金額が 最初から確定している(確定給付)。
掛金は 全額所得控除(節税効果が大きい)。
国の制度なので破綻リスクが非常に小さい。
月額68,000円の国民年金に 上乗せ年金を積み増せる。
2. iDeCo(イデコ)
節税効果が高い。掛金全額が 所得控除(節税)。
運用益が非課税。受取時も税優遇。
自営業の場合、掛金上限:月額 68,000円
3. 小規模企業共済(自営業者の退職金)
積み立てた掛金が全額所得控除。
廃業時・老後の資金としてまとまった額が返ってくる。
掛金は 1,000円〜70,000円/月 で自由に変更可能
受取時は 退職所得扱い(税負担が軽い)
4. 付加年金
月400円の追加で、将来もらえる年金を上乗せ。
2年以上払えば元がとれる。
国民年金基金と併用は「1口目の型により不可」だが、一般的な場合は両立も可能
5. 任意加入(60歳以降も掛金を支払い)
条件を満たせば60〜65歳まで国民年金に任意加入できる。
→ 未納・免除がある人は 年金額を増やすチャンス
※65歳以降も延長できるケースあり(受給資格満たない人など)
6. つみたてNISA(積立NISA)など投資での老後資産形成
年金制度外での資産形成も必須。
つみたてNISAは 運用益が非課税。
投資信託を積み立てることで、老後に数百万円〜数千万円の資産形成が可能。
iDeCoより自由に取り崩せる(60歳前でもOK)。
【公的制度①】手軽に始めるなら「付加年金」
国民年金の「付加年金(ふかねんきん)」とは、定額の付加保険料(月400円)を払うことで、将来受け取る老齢基礎年金に上乗せされる制度です。
<付加年金の仕組み>
月額 400円 の付加保険料を国民年金保険料に上乗せして払う。
将来受け取れる年金額は 「200円 × 付加保険料を納めた月数」 だけ増える。
例:10年間(120か月)加入した場合
追加で支払う金額:400円×120か月=48,000円
追加で受け取れる年金額:200円 × 120か月 = 年24,000円 上乗せ
→ 生涯(終身)受け取れる。
<付加年金に加入できる人>
付加年金に加入できるのは 国民年金の第1号被保険者(自営業・学生など)で、保険料を「全額納付」している人です。
<加入できない人>
国民年金第2号被保険者(会社員・公務員)、第3号被保険者(専業主婦/主夫)、免除や猶予を受けている期間
<加入方法>
住んでいる市区町村の役所で「付加保険料納付申出書」 を提出するだけ。
【公的制度②】掛金が全額所得控除「国民年金基金」
国民年金基金(こくみんねんきんききん)とは、自営業・フリーランスなど国民年金第1号被保険者が、老後の年金を上乗せするための「公的な年金の補完制度」です。
いわば “自営業版の厚生年金の上乗せ” のような制度です。
<国民年金基金の特徴>
① 終身年金(生涯続く)を受け取れる
国民年金だけでは老後の年金額が少ないため、その不足を補うために基金に加入すると生涯受け取れる上乗せ年金を増やせます。
② 7種類のプランから選べる
国民年金基金には 1型〜6型+終身・有期のバリエーション があり、自分の希望や加入可能額に合わせて、「終身年金(生涯もらえる)」「有期年金(例えば15年だけ受け取る)」などのプランを組み合わせられます。
③ 掛金(保険料)は 全額所得控除
支払った掛金は 全額が社会保険料控除の対象となり、所得税・住民税が節税される という大きなメリットがあります。
<加入できる人>
自営業・フリーランス・農業従事者・無職などで国民年金第1号被保険者扱いの人
<加入できない人>
会社員(第2号被保険者)や専業主婦・主夫(第3号被保険者)
国民年金基金 vs 付加年金の違い
| 項目 | 国民年金基金 | 付加年金 |
| 上乗せ方法 | 基金独自プランで上乗せ | 毎月400円の上乗せ |
| 上乗せ額 | 自由に選べる(終身・有期あり) | 200円×納付月数を終身受け取り |
| 対象者 | 第1号被保険者 | 第1号被保険者 |
| 節税効果 | 掛金全額控除(大きい) | 少額だが同様に控除対象 |
| 運用リスク | なし(基本的に元本保証型) | なし |
<メリット>
老後資金を終身で確実に上乗せできる
節税効果が大きい
公的制度のため安心感がある
プランを自由に組み合わせられる
<デメリット>
「終身」でうけとる設計が多く 途中での解約は原則不可
若くして加入すると 途中で保険料が高く感じることも
付加年金とは併用できない(※ただし iDeCo と併用は可能)
【公的制度③】最強の節税効果「iDeCo」
iDeCo(イデコ/個人型確定拠出年金)とは、自分で積み立て、運用して老後資金を準備するための私的年金制度です。税制優遇が非常に大きいのが特徴です。
<iDeCoの仕組み>
毎月決めた金額を積み立てる。
投資信託・定期預金・保険などから、運用商品を自分で選ぶ。
60歳以降に年金または一時金として受け取る。
<メリット>
① 積み立てたお金(掛金)が全額所得控除の対象となる
② 運用益が非課税
③ 受け取るときにも税制優遇
年金受取で「公的年金等控除」
一時金で「退職所得控除」
<デメリット>
原則60歳まで引き出せない
運用結果がマイナスになる可能性がある
商品選び・手数料に注意が必要
<加入できる人・掛金の上限>
加入できるのは原則 20〜65歳未満 のほぼすべての人。
掛金の上限は職業によって異なります。
例:
会社員(企業型DCなし):月2.3万円まで
会社員(企業型DCあり):月1.2万円まで
自営業(国民年金第1号被保険者):月6.8万円まで
専業主婦(主夫):月2.3万円まで
【公的制度④】退職金を作るなら「小規模企業共済」
小規模企業共済(しょうきぼきぎょうきょうさい)とは、小規模な事業者(個人事業主や中小企業の経営者)が、事業をやめたとき・退職したときの備えとして積み立てる 国の退職金制度 です。
独立行政法人「中小企業基盤整備機構(中小機構)」が運営しています。
<小規模企業共済の仕組み>
毎月1,000円〜7万円の範囲で掛金を積み立てる。
掛金は自由に増減可能。
共済金は事業をやめたときや老後に受け取れる(退職金のようなもの)。
<メリット>
① 掛金が全額所得控除の対象となる。
② 運用利息がつく(元本割れしづらい)。
基本的に元本確保の仕組みで、予定利率に応じて増える。(解約の仕方によっては減額になる場合あり)
③ 受け取り時にも税制優遇
退職時 → 退職所得扱いとなり控除が受けられる。
分割受取 → 公的年金等控除の多少となる。
④ 掛金の変更・一時停止が柔軟
事業の状況に合わせて掛金を調整できる。
<デメリット・注意点>
原則、任意解約すると元本割れの可能性あり
途中で自由に引き出せない(事業の廃業・退職などが必要)
<加入できる人>
主に以下のような 小規模事業者・個人事業主 が対象。
個人事業主(フリーランス含む)
小規模企業の会社役員(従業員20人以下など)
家族従業員・共同経営者
※会社員は原則入れないが、副業の法人経営者などは入れる場合あり。
あなたはどれを選ぶ?タイプ別おすすめ診断
以下では「節税重視」「手軽さ重視」「受給額重視」の3つの観点から、年金(老後資金)を増やすための代表的な施策を分かりやすく整理します。
1. 節税重視で年金を増やす施策
① iDeCo(個人型確定拠出年金)
掛金が全額所得控除 → 所得税・住民税が大幅に下がる
運用益も非課税
受取時も税制優遇あり(退職所得控除・公的年金等控除)
② 企業型DC・企業型DCマッチング拠出
勤務先に企業型DCがある場合の選択肢
会社が掛金を出してくれることもあり節税効果が非常に高い
マッチング拠出ができる場合、自分の掛金も所得控除対象
② 小規模企業共済(自営業者向け)
掛金が全額所得控除
事業廃止時や老後に受け取れる共済金が退職所得扱いで節税
2. 手軽さ重視で年金を増やす施策
① 新NISA(つみたて投資枠・成長投資枠)
運用益が完全非課税(恒久制度)
初心者向けの投信が多く、放置していても増える可能性が高い
株価成長の恩恵を受けやすい
デメリット:掛金は所得控除にならない
② 財形貯蓄(勤務先に制度がある場合)
毎月の給与天引きで自動貯蓄
手軽だが、利回りが低い場合が多い
③ 銀行の自動積立・定期預金
手軽だが、金利は低く増やす目的では非効率
3. 受給額(将来のもらえる額)重視で増やす施策
① 公的年金の繰下げ受給
65歳 → 75歳まで繰り下げ可能
1か月繰下げるごとに 0.7%増額で最大 84%増
→ 長生きするほど有利だが、健康状態や働き方によって有利・不利が変わる
② 厚生年金に長く加入(雇用延長など)
厚生年金は加入期間に比例して受給額UPするため60歳以降も働くことで年金が増える
③ 国民年金の付加年金(自営業・任意加入者など)
月400円の上乗せで年金が年6,800円増える→ 2年で元が取れる超お得制度
④ 任意加入(60歳〜65歳)
国民年金の未納期間がある場合、加入して受給額UPを図る
| 目的 | ベスト選択 | 理由 |
| 節税重視 | iDeCo・企業型DC | 所得控除・運用益非課税・受取時減税の三重優遇 |
| 手軽さ重視 | 新NISA | いつでも引き出せて非課税。投資放置OK |
| 受給額重視 | 年金繰下げ・付加年金 | 公的年金の増額効果が最も大きく確実 |
【あなたはどれ?タイプ別おすすめ診断(3タイプ)】
以下の質問に YES が多いものがあなたのタイプ です。
1. 節税重視タイプ(YESが多ければこれ)
所得税・住民税は可能な限り減らしたい
老後資金は「税金の優遇」を最大限使って増やしたい
多少の拘束(60歳まで引き出せないなど)は許容できる
年収はそれなりにあり、節税メリットが大きい方が嬉しい
コスパ重視で資産形成したい
2. 手軽さ重視タイプ(YESが多ければこれ)
面倒な手続きはイヤ
いつでも引き出せる方が安心
コツコツ積立を放置で運用したい
縛りが強い制度は避けたい
投資初心者でも気軽に始めたい
3. 受給額重視タイプ(YESが多ければこれ)
将来の年金受給額をとにかく増やしたい
老齢年金を「確実に」「安定的に」受け取りたい
長生きする可能性が高いと思う
働ける限り働いて収入を維持するつもり
公的制度を最大限に利用したい
民間の保険商品でさらに手厚く備える方法
公的年金(国民年金・厚生年金)だけでは老後資金が不足しがちなため、民間の保険や金融商品を活用して「年金の上乗せ」をする考え方は、今や一般的となっています。ここでは、民間の保険商品を中心に、公的年金を補完する方法をわかりやすく説明します。
① 個人年金保険(民間保険会社の年金)
老後に年金形式で受け取れる保険。
公的年金の「上乗せ」として最もわかりやすいタイプ。
特徴
受取方法:終身年金 or 有期年金(10年・15年など)
保険料控除あり(個人年金保険料控除) → 節税メリット
低金利時代は利回りが高くないが、将来受取額が確定する安心感が強み
向いている人:老後資金を「確定額」で準備したい人。こつこつ長期で積み立てたい人。
② 終身保険(貯蓄型)を老後資金に活用
死亡保障に加えて、解約返戻金があるため「貯蓄+保障」として使える。
特徴
返戻率が100%を超えるタイプもあり、実質の積立
保証しながら老後の資金にも流用できる
長期契約前提。途中解約は不利
向いている人:保障も確保しつつ残った部分を老後資金に回したい人。
③ 外貨建て保険(終身・個人年金)
金利の高い通貨で運用されるため、円建てより利回りが高い傾向。
特徴
高金利通貨で効率的に増やせる可能性
為替リスクあり(円高になると受取額が減る場合がある)
手数料が比較的高めのこともある
向いている人:為替リスクを理解できる人。長期で外貨運用のメリットを享受したい人。
④ 変額保険(投資型の保険)
保険料の一部を投資信託で運用するタイプ。
特徴
運用成果によって将来受取額が変動(ハイリスク・ハイリターン)
向いている人:長期投資に抵抗がなく、増やすことを重視する人。
よくある質問
自営業でもらえる年金はいくら?
もらえる金額の目安
2025年〜2026年時点では、国民年金の満額受給額は「月額約 69,000円」です。
保険料の納付期間が短い場合や免除・猶予期間があった場合は受給額が減り、月額は下がっていきます。
厚生労働省の発表によれば、実際の平均受給額は月額で約56,000円〜57,000円前後となっています。
自営業は年金が少ないのはなぜ?
① 自営業は「国民年金(1階部分)」しか加入しないため
自営業 → 国民年金のみ(=1階部分だけ)
会社員 → 国民年金+厚生年金(=1階+2階)
厚生年金は保険料も給付も大きいため、
会社員は自営業より受け取る金額が大幅に多くなります。
② 国民年金は「定額給付」のため
国民年金は、収入額によらず掛金は一定。
もらえる金額はほぼ同じ(満額約6.8万円/月)
一方、厚生年金は報酬に比例して増えるため、会社員は多く受け取りやすい。
まとめ
この章では自営業の方が加入する年金制度の基本的な仕組みから、将来の受給額等について、会社員が加入する厚生年金との違い、将来の受給額を増やすための施策などを紹介してきました。
近年では日本の人口減少が加速し将来の年金受給について不安視されている方も多くなっています。少しでも早く年金の仕組みを理解し、収入を補完できるような対策を講じる手助けになればと思っております。
更に詳しい内容をお調べになりたい方、ご自身にはどのような施策が適切なのかを相談したい場合には専門家にご相談されることをお勧めいたします。





