リースバック審査の利用条件と落ちる理由!対処法や代替案まで解説

リースバック審査の利用条件と落ちる理由!対処法や代替案まで解説

 

リースバックは、不動産を活用した資金調達手段の一つです。

金融機関から融資を受ける際に審査があるのと同様に、リースバックを利用する際はリースバック会社が審査をします。

今回はリースバックの審査を中心に、申込から契約までのステップと、各段階における注意点やポイントを交えて解説していきます。

 

 リースバックとは何か

リースバックとは、所有している不動産を売却するのと同時に、賃貸借契約を結んで不動産を利用し続ける商品です。

不動産を売却することでまとまった資金を得ることができ、賃料を支払えば売却後も不動産を継続して利用することができるため、住み替える必要はありません。

 

金融機関から資金調達をしようとしても、審査が厳しいため融資を受けられないことも少なくありません。その場合の資金調達手段の一つとしてリースバックを利用する方がいます。具体例としては、高齢の方が老後資金を確保した場合や、住宅ローンの返済が厳しくなった場合などです。

 

金融機関からの融資とリースバックの大きな違いは、不動産の所有権を失うことです。

金融機関から不動産を担保にして融資を受ける場合には、不動産に抵当権等の担保設定をし、融資金を受け取り、その後は利息を支払います。

リースバックの場合には、不動産を売却して所有権を移転し、売買代金を受け取り、その後は賃料を支払います。

融資とリースバックを比較すると、担保設定の代わりに所有権を移転し、融資金の代わりに売買代金を受け取り、利息の代わりに賃料を支払う仕組みとなっていることがわかります。

 

リースバックのメリット・デメリットには次のようなものがあります。

●メリット

・不動産を現状と同じように利用できる

・現金化まで時間がかからない

・固定資産税などの維持費が不要

・法人所有の不動産であれば賃料は損金(費用)計上できる

・将来的に買い戻せる可能性がある

●デメリット

・所有権が第三者へ移転し、将来住み続けられないリスクがある

・賃料が発生し、総支払額が売却額を上回るリスクがある

・契約更新が出来ず住み続けられないリスクがある

・売却価格が周辺相場よりも低くなる傾向がある

・売却価格よりも買戻し金額が高くなる

 

リースバックの仕組み、メリット・デメリットの詳細については、【初心者向け】リースバックとは?その仕組みやメリット・デメリットを徹底解説で詳しく解説していますので、ご覧ください。

リースバックを提供しているのは、主に不動産会社です。対象不動産を購入するか、購入した後にいくらの賃料で貸すかは不動産会社が決めます。不動産会社からすると、アパートなどの収益物件を購入するのと同じ感覚です。その購入するかどうかの判断が、リースバックの審査と呼ばれています。

 リースバック審査の流れ 申し込みから契約までのステップ

リースバックの申込みから契約までの流れは以下の通りです。

1.相談・申込み → 2.不動産査定・条件提示 → 3.契約締結 → 4.売買決済・賃貸開始

 

まず、リースバック事業者に相談し、申し込みをします。概算の買取り価格や賃貸条件などが提示され、条件が合いそうなら物件の本調査、家賃の支払い能力調査が行われます。本審査により正式に売買条件や賃貸借契約が提示され、問題なければ売買契約と賃貸借契約が締結されます。売買決済日をもって不動産の所有権が移転し、賃貸借が開始します。

申込みから契約完了までの期間について、一般的な日数の目安は以下の通りです。

1.相談・申込み(1日~数日)

2.不動産査定・条件提示(1週間~2週間)

3.契約締結(1日)

4.売買決済(1日)

目安として、2週間~1ヶ月位の期間で契約まで完了に至るケースが多いようです。各社の対応はもちろん、物件の種類によってもかかる日数は異なりますので、詳しくはリースバック取扱会社へご確認ください。

 

申込み~物件調査の期間と準備すべきこと

申込時に準備しておくものとしては、本人確認書類、登記済権利証(登記識別情報通知)、不動産の内容が分かるもの(謄本、間取り図等)、収入証明書などになります。審査をスムースに進めるためにも、リースバック業者から依頼された書類は準備しておきましょう。

また、リースバック業者は建物の状態を実際に確認するため、最低限の清掃や片付け、設備の修繕が必要な箇所の把握、雨漏りなどの重大な不具合の有無などを確認しておきましょう。

 

審査~契約の期間と注意点

審査~契約までの一般的な期間の目安として、概ね2週間~1ヶ月位の期間で契約まで完了に至るケースが多いようです。各社の対応はもちろん、物件の種類によってもかかる日数は異なります。

契約を結ぶ際の注意点。売買契約書、賃貸借契約書などの契約書を結ぶ際は、条文はもちろん、特約条項などもしっかり確認しましょう。事前に聞いていた条件と相違が無いか、不明点や疑問点があれば遠慮せずに確認しましょう。

 リースバックの審査基準とは?重視される項目と一般的なローンとの違い 

リースバックは売買と賃貸です。したがって、リースバック業者の審査基準は、売れる物件であるかどうか、家賃が払えるかどうかが大きなポイントです。業者は賃貸中でも物件を売却することができます。したがって、売却が可能な物件であるかを重点に査定します。また、家賃の支払いがしっかりできるかどうかを収入証明書類などから審査します。リースバック業者によっては賃貸借契約を結ぶ際に、家賃保証会社の保証を付けることを条件にするところもあります。審査に通りにくい人の特徴としては、物件の価値が低い、物件の流動性が低い、安定した収入が無い、家賃保証会社の審査が通らない等が挙げられます。

 

これに対し金融機関の一般的なローンは、借入金を利息と合わせて返済するため、返済能力の有無を重要視します。

 

リースバックの審査基準は一般的なローンと何が違う?

リースバック業者の審査基準は、売れる物件であるかどうか、家賃が払えるかどうかの2点が大きなポイントになります。売れる物件とは、立地条件、物件の種類などからニーズを見極め、適正な価格であれば時間をかけずに買い手がつく物件です。また、家賃が払えるか否かは賃借人の収入から判断します。家賃保証会社の保証を付ければなお安心ですが、原則は賃借人が支払えるかどうかです。

一方、金融機関の融資審査は、返済能力が重視されます。貸したお金を返済してもらえるかどうかがポイントになります。金融機関は信用情報をみて、既に借り入れているローンがあれば、その支払いも含めて適正な返済比率に収まっているかを重視します。また、不動産を担保にする場合はその評価が重要になります。融資金額以上の価値があれば金融機関は融資がし易くなります。

一般的に金融機関のローン審査は厳しいと言われるのに対し、リースバックの審査は業者自身がリスク判断を行うため審査基準の幅が広いと言えます。

 リースバックの審査に通るための条件とは?  

リースバックの審査ポイントは、「不動産」と「賃料の支払い能力」の2点です。リースバックを利用するためには、この2点をクリアしなければなりません。

「不動産」については、最終的に売却できることが前提のため、所有権が100%ではない、流動性が低い、瑕疵物件などの場合は審査に通らない可能性があります。また、「賃料の支払い能力」について、一般的にリースバック会社は、家賃保証会社の保証をつけて賃貸借契約を結びます。家賃保証会社は審査するうえで信用情報を利用するケースがほとんどです。信用情報機関に照会した結果、延滞・債務整理・自己破産などの記録があると審査に通りにくくなります。

まとめると、審査に通りにくい人の特徴としては、物件の価値が低い、物件の流動性が低い、安定した収入が無い、家賃保証会社の審査が通らない等が挙げられます。

以下でもう少し詳しく説明します。

 

不動産について

リースバック会社は、売主が買い戻してもらうか、それとも第三者に売るかは別にして、最終的には不動産を売却します。
将来的に売却することが見込めない場合には、リースバックを利用することができません。また、不動産売買における買主は、ほとんどのケースで金融機関のローンを利用するため、ローンがつかない不動産は売却自体が難しくなります。
このような売却しづらい不動産を、流動性の低い不動産といいます。具体的に流動性の低い不動産とは、どのようなものがあるでしょうか。

 

・所有権が100%ではない

不動産の所有者が複数人いて、共有持分となっていることがあります。夫婦でお金を出し合って不動産を購入した場合や、相続発生時に法定相続で財産を分けた場合に多く見受けられます。
リースバック会社に売却する際に、共有者全員が持分を売却すれば問題ありませんが、一部の人が反対して売却しない場合には、その持分を取得することができません。第三者が持分を持っている不動産を欲しがる人は少なく、住宅ローンの審査も通らないため、流動性が低い不動産となります。

 

・不動産のある場所

不動産のある場所(立地)は不動産の資産価値に大きく影響します。

インフラが整備され、生活利便性が高い都市部と郊外では需要数が異なり、不動産価値は大きな差があります。また、都市部にあっても建物を再建築できない土地、車両が入らない土地、地盤の弱い土地、周辺環境が悪い土地などは需要が少なく、価値が低くなります。

 

・リースバックの対象となる不動産の種類

リースバックの対象になる不動産は流動性の高い不動産です。戸建やマンションのような居住用不動産を欲しがる人は多くいますが、工場や特殊な施設などは特定の業種の人しか買いません。また、借地権付建物の場合には、売却時に地主(土地の所有者)の承諾が必要であり、譲渡承諾料というコストもかかります。借地権付建物が築古の場合には、住宅ローンの利用も厳しいため、現金で購入する人を探す必要があります。


リースバックの対象になりやすい不動産 … 一戸建、分譲マンション、店舗併用住宅、アパート、事業用不動産(事務所、店舗、倉庫、工場)

リースバックの対象になりにくい不動産 … 土地のみ、再建築不可の土地、持ち分のみ、違反建築物件、借地権建物、瑕疵物件、築古物件など

 

・建物に瑕疵(かし)がある場合

瑕疵(かし)とは欠点・欠陥のことを言います。建物の瑕疵の具体的としては、雨漏り、シロアリ被害、基礎の傾き、アスベスト使用がある場合などを指します。

建物に瑕疵があると住宅ローンを利用できない可能性があるため資産価値が低くなります。軽度な瑕疵で修繕により解消できる場合は、取り扱っているリースバック会社もありますので相談してみましょう。

 

・事故物件

事故物件は心理的瑕疵物件とも言われ、買主・借主が心理的抵抗を感じる物件のことです。不動産の敷地内で火災や自殺、他殺などの事件や不慮の事故が起こった不動産のことです。事故物件を載せている「大島てる」というウェブサイトが有名で、誰でも簡単に検索することができます。心理的瑕疵は不動産業界では重要事項に該当するため、買主や借主に対して告知する義務があります。
事故物件は需要が少なく、売買価格が相場より1~3割下がるのが一般的です。建物の構造や安全性に影響が無ければ、リースバックで取り扱わないということは少ないようです。但し、発見が遅れた場合などにより特殊清掃やリフォームが必要になる場合は、買取価格はその程度に応じて低くなります。

 

リースバック審査における家賃の支払い能力|見られる項目と落ちる人の特徴

一般的にリースバック会社は、家賃保証会社の保証をつけて賃貸借契約を結びます。家賃保証会社とは、借主が賃料を支払えなくなった場合に、貸主に賃料を支払う会社です。

家賃保証会社は、借主の支払い能力の審査を行います。銀行融資における返済能力の審査ほど厳しくはありませんが、安定収入がない場合には審査に通らないことがあります。

また、審査するうえで信用情報を利用するケースがほとんどです。信用情報機関に照会した結果、延滞・債務整理・自己破産などの記録があると審査に通りにくくなります。その場合、信用情報を利用しない家賃保証会社に切り替えることで審査が通る可能性がありますが、リースバック会社がそれを認めてくれるかは確認が必要です。

審査に通りにくい人の特徴としては、物件の価値が低い、物件の流動性が低い、安定した収入が無い、家賃保証会社の審査が通らない等が挙げられます。

家賃保証会社の審査に落ちると、リースバック会社は購入しないか、購入するとしても相応に低い購入金額となります。これを解決するための手段は、自ら保証人を見つけるしかありません。安定的に収入のある方や高収入の方であれば、リースバック会社によっては保証人として認めてくれることがありますので、検討してみると良いでしょう。

 

リースバックができない人の特徴は?

リースバックの審査に通らない人の特徴としては、「不動産」と「家賃支払い能力」に問題があることが挙げられます。

先にも述べましたが、リースバックの対象になる不動産は流動性の高い不動産です。郊外や地方の物件、立地条件の悪い物件、住宅以外の用途の物件、瑕疵のある物件、共有者の同意が得られない物件などは需要が低いため、リースバック業者が買取をしない可能性が高い物件です。物件の瑕疵の程度が低い場合には検討してもらえる可能性があります。

また、安定した収入が無い人、家賃保証会社の審査が通らない人も審査に通らない可能性が高くなります。その場合、信用情報を利用しない家賃保証会社に切り替えてみるか、連帯保証人を付けられる場合には検討してもらえる場合があります。

 リースバックの審査基準と通過に必要な準備

リースバックの審査で重要なのは「不動産」と「家賃支払い能力」であることは先にも述べた通りです。

「不動産」については流動性の高い条件の物件であることが求められます。立地条件はどうにもできませんが、未登記の増築があれば予め登記しておくことや、隣地との境界の問題があれば解決しておくことが望ましいです。また、建物も出来るだけきれいにしておくことも大切です。「家賃支払い能力」については、収入を示す書類をしっかり準備しましょう。安定した収入があることが示せれば審査に通る可能性が高まります。

 

リースバック会社が審査をする際に必要なものは、本人確認書類のほか、不動産関係の書類、家賃保証会社の審査に必要な収入証明書類に分けられます。

・本人確認書類・・・顔写真付き身分証明書(運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなど)、写真付きのものがない場合には健康保険証や年金手帳、印鑑証明書、住民票など

・不動産関係書類・・・購入時の重要事項説明書、増改築をした場合はその内容が分かる資料、リースバック会社によって、登記簿謄本や道路図面などを求められることもあります。

・収入関係資料・・・源泉徴収票、確定申告書、年金通知書など

 リースバック契約で後悔しないための3つの注意点

リースバック契約で後悔しないための注意点を3点挙げると、ローン残高が売却価格を下回っているか、安定した家賃支払い能力があるか、審査に必要な書類と準備のポイントは何かです。

 

ローン残高は売却価格を下回っているか

不動産の売却価格よりも住宅ローンなどのローン残高が上回っている状態をオーバーローンと言います。不足分を自己資金で用意できれば良いですが、無ければ住宅ローンを完済できず、登記が抹消できないため、そもそも売買が成立しません。したがって、このような状態ではリースバックを利用できません。

対処方法として、借入先金融機関が登記抹消に応じてくれるよう交渉するか、不足分の資金を別に調達するかのいずれかになります。

 

【審査の重要ポイント】安定した家賃支払い能力の証明

リースバックは、不動産の売却と同時に買主であるリースバック会社と賃貸借契約を結び、賃料を支払う仕組みです。継続的な安定収入が見込めない場合や、収入よりも賃料が高額の場合には、将来的に賃料の支払いができなくなるリスクが高まります。

このリスクを回避するため、リースバック会社は家賃保証会社の保証をつけるのが一般的です。会社員や年金受給者など、安定した収入があれば審査が通りやすいですが、そうでない場合は審査が通らない可能性があります。無職の人の場合でも安定した収入があれば審査が通る可能性があります。不労所得(配当、賃料)や家族からの仕送りなどが証明できれば審査が通る可能性があります。

 

リースバックの審査に必要な書類一覧と準備のポイント

リースバックの審査に必要な書類は以下のようなものです。

(リースバック会社、お客様や物件の状況などにより異なります。)

必要書類の名称 備考
本人確認書類(顔写真付き身分証明書) 運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなど
収入証明 源泉徴収票、確定申告書、年金通知書、配当や賃料の分かるものなど
不動産資料(物件の種類や必要に応じて) 登記簿謄本、購入時の重要事項説明書、増改築資料、間取図
ローン返済表・残高証明書 借入残高がわかるもの

不動産資料は法務局や区(市)役所で取得するものがあります。また、購入時の資料などは探すのに時間がかかる場合もありますので、あらかじめ準備しておくと審査がスムースに進みます。

 

 リースバック契約で後悔しないための確認ポイント

リースバック契約は何度も利用するものではなく、初めてという方がほとんどです。そのため、何を確認すべきなのかがよく分からないといった不安な声も多く聞かれます。

リースバックを検討する際には、1社だけではなく複数の業者を比較検討することも重要です。話を多く聞くことで理解度が深まり、最適な条件を見つけられるでしょう。さらに、信頼できる専門家(弁護士・不動産鑑定士・税理士・ファイナンシャルプランナーなど)に相談することも必要です。リースバック業者は不動産取引のプロですので、不利な条件の契約を結んでしまったり、契約内容を誤って理解していて後で後悔することが無いように専門家にも相談するようにしましょう。

以下では、契約をする前に確認すべきポイントを4つご紹介します。

 

賃貸借契約の種類と契約期間は必ず確認する

賃貸借契約は大きく分けて2種類あります。普通賃貸借契約と定期賃貸借契約です。

一般的に賃貸物件を借りる際は主に普通賃貸借契約が使われますが、リースバックの場合には定期賃貸借契約が使われることがほとんどです。2つの契約の大きな違いは、契約満了時に更新ができるかどうかです。

普通賃貸借契約の場合は、期間満了時の更新の定めが契約書に記載されています。法的にも貸主は正当事由がない限り更新を拒絶できないため、更新が可能なことを前提とした契約となります。

一方、定期賃貸借契約は更新の概念自体がないため、更新することはできません。契約期間満了時には退去することを前提とした契約となります。契約期間満了の6ヶ月前までに、貸主より賃貸借が終了する旨の通知が送られ、終了と共に退去することとなります。
ただし、貸主と借主が新たな賃貸条件で合意できれば、不動産を継続して利用することができます。その場合は更新ではなく、改めて賃貸借契約書を締結する再契約という形になります。再契約するかどうかは貸主の判断によるため、必ず再契約をしてくれるという保証はありません。賃貸借契約時には口頭で再契約できると言われたとしても、実際には拒否されたら定期賃貸借契約ではどうにもできません。

売却後も長期間にわたって不動産を利用したい場合には、普通賃貸借契約か契約期間の長い定期賃貸借契約としてくれるリースバック会社を選ぶことが必要です。

 

買戻し条件について

買戻しとは、一度売却した不動産を将来的に自身で購入することです。

リースバック会社によりますが、将来に買戻しを希望している場合、買戻し条件をあらかじめ定めておくことがあります。リースバック契約時に買戻し条件を決めておけば、手放した不動産を将来的に取り戻せる可能性がある安心感があることがメリットです。

買戻し条件を明確にするために、買戻し価格や買戻しができる期間などを明記した「再売買の予約契約書」を締結します。契約書にて明確にしておかないと、業者側に有利に進められるリスクがあるうえ、後のトラブルの元になりかねません。

決めておくべき事項で特に重要な点は、買戻し価格(決め方)、買戻しが出来る期間、買戻しの手続き条件などです。買戻し価格は、自身が売却した金額よりも10%~30%割高になることが一般的です。業者によっては買戻し時の市場相場に連動させる場合もあります。買戻しができる期間は、特定の期日を定めるか期限を定めないかに分かれ、一般的には1~3年、長くても5年程度位です。期限を定めない方がいつでも買い戻せるため有利と言えますが、対応は業者によります。買戻しの手続き条件は、買戻しを行う意思表示の期限、必要資金の支払い方法、事務手数料や違約金の有無などです。

買戻し条件は、リースバック会社によって異なるため、複数の業者を比較したうえで検討することをお勧めします。

 

契約書で必ず確認すべき重要項目

リースバックは不動産の売買・賃貸に関する契約書に加え、その関連契約の書類作成が必要になります。
具体的には、「売買契約書」「重要事項説明書」「付帯設備表」などの売買関係の書類や「賃貸借契約書」「再売買の予約契約書」などが挙げられます。

契約書は専門用語・法律用語が使われているため、理解が難しい部分もありますが、ご自身の所有する不動産を売却し、賃料を支払って利用し続けることになりますので、しっかりと内容を把握しておくことが重要です。

リースバック契約は、売買後も売主が継続して物件に住み続けるため、一般的な売買契約とは異なる点があります。特に「契約不適合責任の免責」「中途解約条件」「原状回復義務の範囲」について違いを説明します。

・契約不適合責任(旧・瑕疵担保責任)の免責・・・契約不適合責任の扱いが通常の不動産売買とは異なります。実務では売主の契約不適合責任を免責にするケースが多いようです。

・中途解約条件・・・定期借家契約では、原則として中途解約不可の場合が多く、契約期間満了まで住み続けなければならない。例外的に契約書に定めがある場合のみ中途解約ができる(病気や転勤など、やむを得ない事情による退去の場合)。その場合でも、解約違約金(1か月〜数か月分の賃料、または販売時の諸費用相当)を支払う条件が付くことが多い。

・原状回復義務の範囲・・・リースバックの原状回復義務は、基本的には 一般の賃貸とほぼ同じ です。但し、リースバック業者は売却前の状態を把握しているため、退去時のチェックが厳密になりやすく、原状回復費用の精算が厳しめに設定されている業者もあります。また、契約書で「原状回復の範囲」を拡張している場合があるため、契約書を交わす前に内容をしっかりと確認し、認識の違いが無いようにすることが大切です。

 

リースバック後の収入と支出

リースバックでまとまった資金を得ることによって、目先の課題を解決することはできます。しかし、リースバックを利用することになった根本的な原因は解決していません。

リースバックは、金融機関から融資を受けられなかった方が利用することが多く、そのほとんどが収入と支出のバランスが崩れてしまっていることが原因と言われています。

リースバック会社に支払う賃料は、売却価格に対して6%~12%程度です。これは、金融機関から資金調達する場合の利息にあたるものであり、金利と比べるとかなり割高なものです。リースバックを利用したとしても、現状の支出を見直さなければ賃料負担に耐えられず、最終的には退去することになってしまいます。

 

リースバックを利用する前に、支出で削減できるものがないかをしっかりと確認し、賃料が支払える余剰資金を確保した上で契約するようにしましょう。

実際にリースバックを利用した場合、住居にかかる費用の内訳が変化します。持ち家の時は住宅ローン、固定資産税、火災・地震保険、建物修繕費などがかかっていましたが、賃貸になると月々の家賃、火災保険、保証料などに変化します。リースバック利用前後で収支が改善するかどうかは、この住居関連支出を比較すると分かりやすいでしょう。月収に占める住居費用として無理のない割合の目安は、現役世代で25~30%以内、年金受給者で20~25%以内位と言われています。リースバックの賃料は相場よりも高いことが多く、利用後に住居関連支出の割合が増加し月々の収支が赤字になると、売却で得た一時金や手元資金を取り崩していくことになりますので、目先の収支だけでなく5年10年と長期のシミュレーションをしておくことが大切です。特に収入が不安定な個人事業主や収入が大きく増加することが無い年金受給者は注意が必要です。転居せずに住み続けられるという目先のメリットはあるものの、将来的に資金が枯渇してしまっては意味がありません。リースバック以外の選択肢も含めた比較を行い、ご自身の将来に最適な選択をするようにしましょう。

 

 リースバック審査に落ちた場合の対処法

リースバックの審査ポイントは、「不動産」と「賃料の支払い能力」の2点です。リースバックを利用するためには、この2点をクリアしなければなりません。

審査に落ちる一般的な理由としては、物件の価値が低い、物件の流動性が低い、安定した収入が無い、家賃保証会社の審査が通らない等が挙げられます。

 

一度審査に落ちた後であっても、落ちた理由が改善されている場合には再度申込をしてみても良いかもしれません。ただし、物件を変えることは難しいため、そもそも物件の価値や流動性が問題だった場合は、再申込みをしても同じ結果になる可能性が高いと言えるでしょう。家賃の支払い能力については、安定した収入が得られるようになったなど改善の余地があるため、再申込みにより審査が通る可能性があります。

一方、改善が難しい場合には、リースバック以外の資金調達手段を検討してみることも一つです。リースバックせずに通常の売買をする場合や、金融機関のリバースモーゲージを利用する方法が考えられます。

 

他社への再申込みのポイント

リースバック会社により、物件評価の基準は幅があります。また、家賃保証会社も審査基準に幅があり、信用情報機関を使わない会社などと提携している可能性もあります。一度審査に落ちた後、他社へ再申し込みをする際は、審査が通らなかった原因が改善されていないと、審査に通る可能性は低いでしょう。対応として、不動産そのものを変えることは難しいため、希望の売却価格を低くすることで検討してもらえる業者が出てくる可能性があります。但し、不動産を安く手放すことが本当にメリットがあるのか、十分に検討する必要があるでしょう。賃料の支払い能力については、以前より収入が増加したなどの客観的な根拠が示せるかがポイントですので、給与明細や売上げの裏付けになるものを準備しましょう。

各社の審査基準の細かな違いは申込みをしてみないと分からないのが正直なところですので、再申し込みをする場合は複数のリースバック会社に申し込みをし、条件の違いを確認したうえで、ご自身が重視する条件に合う会社を選ぶことも一つです。複数のリースバック会社に一括で査定を依頼できるサービスを提供しているサイトもありますので、検討してみても良いでしょう。

 

代替となる資金調達方法の比較

再申し込みするための現状改善が難しい場合には、リースバック以外の資金調達手段を検討してみることも一つです。リースバックせずに通常の売買をする場合や、金融機関のリバースモーゲージを利用する方法、親族間売買などが考えられます。それぞれのメリット・デメリット、各選択肢が向いている状況・条件は以下の通りです。

  通常の売買 リバースモーゲージ 親族間売買
メリット

・市場価格での売買のため高値が付く可能性有

・引渡し時期がある程度交渉可能

・自宅に住み続けながら資金調達ができる

・月々の返済負担が軽い(利息のみor返済不要)

・老後の生活資金に利用できる

・自宅に住み続けられる可能性が高い

・条件や価格を柔軟に調整できる

デメリット

・信用情報に影響する可能性がある

・金融機関からの借り入れがある場合、同意が必要

・売却期限が限られる

・住み続けることはできない

・高齢者が対象(概ね60~65歳以上)

・将来的な不動産価格の下落リスク

・相続人に不動産が残らない

・利用できる物件のエリア、種類に制限がある

・金融機関のローン審査が厳しい

・売買金額が時価とかけ離れると「みなし贈与」と見なされ課税される可能性がある

利用が向いている状況・条件

・住宅ローンの返済が困難な人

・競売を避けたい人

・少しでも高く売りたい人

・高齢者で自宅に住み続けたい人

・不動産を残すより老後の生活資金を優先したい人

・資産価値の高い不動産を所有している人

・自宅に住み続けたい人

・資産を家族内で残したい人

・親族に購入できる人がいる

 

 よくある質問

審査から契約までどのくらいの期間がかかる?

リースバックは一般的に以下のような流れで進みます。

1.相談・申込み→2.不動産査定・条件提示→3.契約締結→4.売買決済・賃貸開始

申込みから契約完了までの期間について、一般的な日数の目安は以下の通りです。

1.相談・申込み(1日~数日)

2.不動産査定・条件提示(1週間~2週間)

3.契約締結(1日)

4.売買決済(1日)

目安として、2週間~1ヶ月位の期間で契約まで完了に至るケースが多いようです。各社の対応はもちろん、物件の種類によってもかかる日数は異なります。

審査を早めるためには、自社で買取りを行うリースバック専門会社に相談しましょう。急いでいるため○月○日までに結論が欲しいなど具体的に伝えることが重要です。また、リースバック会社から求められる書類などは遅滞なく提出することが大切です。

 

 まとめ

今回は、リースバックの審査や契約について解説しました。

リースバックの審査は、金融機関の融資審査ほど厳格ではないため、比較的審査に通りやすいと言われています。それでも「不動産」と「賃料の支払い能力」という重要な審査ポイントはしっかりとみられますので注意が必要です。

審査に不安があるという方は、信頼できる専門家(弁護士・不動産鑑定士・税理士・ファイナンシャルプランナーなど)に相談することも一つです。審査を受けるうえでのアドバイスや、契約条件が不利にならないようなアドバイスをしてもらえる可能性があります。また、リースバックだけでなく、その他の資金調達手段を検討する場合にも、時間が無いとできません。ご自身の大切な資産が関係するものですから、余裕をもって検討できるよう早めに動くことをお勧めします。

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