不動産担保ローンとカードローンは何が違う?メリット・デメリットから上手な使い分け方法まで解説

不動産担保ローンとカードローンは何が違う?メリット・デメリットから上手な使い分け方法まで解説

 

カードローンと不動産担保ローンは、どちらも資金調達手法のひとつです。しかし、商品内容は全く違うため、メリットやデメリット、特徴、注意点が異なります。どちらも利用したことがある方はご存知かと思いますが、初めて利用される方の場合にはわかりづらい点もあるかと思います。今回は、カードローンの説明を中心に不動産担保ローンとの違いについても解説していきます。

  そもそもカードローンとは?  

カードローンとは、銀行やクレジットカード会社、消費者金融などが取り扱っている融資商品であり、主に個人を対象として提供されています。

銀行やクレジットカード会社の場合には、キャッシュカードやクレジットカードを申し込む時に、カードローンが自動的に付帯しているものもあれば、ご自身で申込みの有無を選択できるものもあります。消費者金融の場合には、インターネットや書面での申込み手続きをするとローン専用カードが送られてきます。

カードローンでは、あらかじめ設定された利用限度額の範囲内であれば、コンビニや銀行のATMまたはインターネットでの手続きによってお金を借り入れすることができます。返済方法は、カードローンを提供する金融機関によって異なりますが、ほとんどはATMでの手続きで返済できるようになっています。

  有担保ローンと無担保ローンの違いとは?  

ローンには、「有担保ローン」と「無担保ローン」の2種類の形態があります。

有担保ローンは、借り入れをする際に担保を必要とする商品です。金融機関が審査する際には、お客様の信用力だけではなく、担保の査定金額を加味した上で総合的に判断します。主な商品として、不動産を担保とする住宅ローンや不動産担保ローン、企業の流動資産(在庫や動産、売掛債権など)を担保とする動産・債権担保ローン(ABL:Asset Based Lendingと呼ばれています)があります。
一方、無担保ローンは担保を必要としません。金融機関は、お客様の信用力のみを審査します。一般的に信用力とは、個人の場合には資産や年収、勤務先、勤続年数、返済実績などを指し、法人の場合には決算内容を指します。代表的な商品の一つがカードローンです。

有担保ローンと無担保ローンの違いとしては、担保の有無による審査項目の他に、利便性(手軽さ、審査スピードなど)や借り入れ条件(限度額、金利、返済期間など)があります。カードローンのメリット・デメリットとともに、詳しくご説明していきます。

  気になるカードローンのメリットとは  

まず、カードローンのメリットを4つご紹介します。

1、担保不要、保証人不要でお金を借りることができる
カードローンは、基本的に担保や保証人は必要ありません。誰でも手軽に審査を申し込むことができ、ご自身の信用力に問題がなければ借り入れすることができます。担保となるものを所有していない方や保証人を頼めない方が資金調達をする場合には、非常に便利な商品です。
注意点としては、カードローンの中には「保証会社による保証が受けられる方」が条件となっている場合があります。保証会社とは、保証料をもらう代わりに保証人となってくれる会社のことです。保証料は借り入れする金利に含まれていることが一般的ですが、念のため確認するようにしましょう。

2、審査が早い
カードローンは、審査スピードが早いことも特長の一つです。申込み手続きは、店舗窓口かインターネットで行うことができます。店舗窓口に出向く時間がない方にとっては、利便性の高い商品です。最も早い会社で30分前後、多くはその日のうちに審査が完了します。急いで借り入れをしたい方にとっては、大きなメリットであると言えるでしょう。

3、限度額の範囲内であれば、時間を問わず繰り返し利用できる
カードローンは、あらかじめ設定された限度額の範囲内であれば、何度でも繰り返し利用することができます。審査が完了し借り入れできる状態になっていれば、銀行やコンビニエンスストアのATMやインターネットの手続きによって、昼夜を問わず借り入れすることができます。いつでも必要な時に利用できるのは、不測の事態に備えるという意味においては有用性が高い商品です。

4、資金使途に制限がない
一般的に、銀行などから借り入れする場合には、資金使途が自由なフリーローンを除き、ほとんどの商品で資金使途が限定されています。具体的には、住宅ローンやオート(車)ローン、学費ローンなどは資金使途が定められており、それ以外の用途に利用することができません。
それに比べ、ほとんどのカードローンは用途を限定していないため、借り入れした資金を自由に使うことが可能です。日本貸金業協会の調査結果によると「趣味/娯楽費(旅行を含む)」が約40%、「食費、外食等」が約30%、以下「家賃の支払い」「医療費」となっており、多様性のある資金使途であることが伺えます。

  気になるカードローンのデメリットとは?  

次に、デメリットを5つご紹介します。

1、借入限度額が低い
カードローンの借入限度額は、1,000万円程度が上限となっていますが、その金額まで借り入れできる人はあまりいません。その理由は、カードローンは個人を対象とした商品であることから、法律で定められた「年収の3分の1」までしか借り入れすることができないためです。この制限は一般的に総量規制と呼ばれており、2010年に施行された貸金業法によって定められました。したがって、年収が600万円の方は200万円まで、900万円の方でも300万円までしか借り入れすることができません。

2、金利が高い
カードローンは無担保ローンであるため、金利が高くなる傾向があります。通常、金利はリスクに比例してその高低が決まるため、金融機関が信用力や保全率を考慮して設定します。保全率とは、融資金額に対して担保や保証によってカバーできる割合のことです。担保のある有担保ローンの場合には、保全率が高くなっていますが、無担保ローンは保全そのものがないため、金利が高めに設定されています。

3、年齢制限がある
カードローンには年齢制限があり、上限設定されていることが特徴です。2021年12月現在、銀行系のカードローンは65歳まで、それ以外のカードローンは69歳までとなっていることが多く見受けられます。労働収入を得るのは70歳未満であることが多いため、それに合わせて上限が決められていますが、企業が定める社員の定年も高年齢化していることから、今後は変わってくるかもしれません。現状は、借り入れをしたまま上限年齢に達した場合、一括返済をするか、分割返済をするかのどちらかを選択することとなり、新たな借り入れをすることができなくなります。

4、返済期限がない
カードローンには、全額返済しなければならない日付を定めた返済期限がありません。決められた限度額の範囲内であれば繰り返し利用できる商品となっているからです。利便性が高いと言えるものの、借り入れ金額を減らすには相当の自己管理が必要になります。一般的な金融機関からの借り入れのように、返済計画を立てた上で返済期限を設定し、段階的に借り入れを減らすことが容易ではないため、借り入れの長期化につながります。限度額に近しい金額を長期にわたり借り入れすると、金利が高い商品ですから、利息負担が増え、総返済額も多くなることは認識しておくべきです。

5、借入先が増えると管理が煩雑になる
複数のカードローンを利用された場合、当然会社ごとに毎月の返済日と返済金額が異なります。借入先が増えれば増えるほど、管理が煩雑になります。一度きりではなく毎月のことですから、返済に費やす時間的コストは膨大なものになると言えるでしょう。理由は何であれ返済を怠ってしまった場合には、延滞情報が登録されるため信用力が低下し、今後の借り入れができなくなる可能性が高まるため注意が必要です。

  不動産担保ローンとカードローンの上手な使い分け方  

不動産担保ローンとカードローンは、利用する場面ごとに使い分ければ、有用性を最大限に活かせます。

例えば、最も重要視することが「保証人や担保が不要であること」や「申し込みをしたその日に借り入れができること」なのであれば、カードローンの方が向いています。それ以外のことが重要だという方や事業者の方には、不動産担保ローンの方が目的を達成できるでしょう。なぜなら、上記以外のカードローンのメリットやデメリットとなっている部分を不動産担保ローンであれば解決できるからです。

 

改めて不動産担保ローンの特長をご紹介します。

・資金使途の制限がなく、高額な金額を低金利で借り入れすることができる
・長期間の分割返済ができるため段階的に借入金額を減らすことができる
・審査期間は一週間程度(アサックスであれば最短3営業日後にご融資可能です)
・不動産評価の範囲内であれば繰り返し利用できる(返済能力があることが前提です)
・総量規制の対象となるが、除外規定や例外規定に該当するものであれば、利用できる

 

※除外規定…「不動産購入を目的とするもの」「自宅外の不動産を担保とするもの」「不動産の売却を前提としたもの」など

※例外規定…「お客様に一方的に有利となる借り換え」「個人事業者に対するもの」「個人が新たに事業を営むもの」など

 

総量規制は個人を対象としたものであるため、法人は対象外です。もちろん、返済能力の有無や今後の事業計画・返済計画については個別に審査されることとなりますが、売上や利益の規模に制限はありません。

それでは、不動産担保ローンとカードローンの上手な使い分け方をご紹介します。

 

少額の借り入れをする場合
数十万円から200万円前後の金額を借り入れする場合には、カードローンの方がメリットがあるかもしれません。不動産担保ローンの場合には、不動産の担保設定費用や借入時の手数料がかかりますし、会社によっては不動産の調査費用や鑑定費用がかかることもあります。1件あたりいくらといった費用のものは、借入金額が少額であるほど負担する割合が高まるため、コスト高になりがちです。その点、カードローンは初期費用がかからないため、少額の借り入れに向いていると言えるでしょう。

 

資金が必要なのが翌日の場合
事業者の方が急ぎの事業資金を借り入れする場合には、銀行のカードローンを活用しましょう。一般的な金融機関や不動産担保ローンは、翌日までに資金調達することはできません。しかし、高い金利のまま借り入れし続けると金利の負担が重いため、低金利の不動産担保ローンの活用も検討してみてください。金利負担の軽減が図れ総返済総額を減らすことができるはずです。

 

短期間で返済する見込みがある場合
数日から1ヶ月以内に返済する見込みがある場合には、カードローンの検討をしても良いかもしれません。理由は少額の借り入れする場合と同じで、初期費用がかからないためです。借入金額によって変わりますが、上限金利は15%~20%であるため、30日で返済する場合には概ね1.23%~1.64%、14日で返済する場合には概ね0.57%~0.76%程度となります。短期間であればあるほど利息負担は少なくなるため、カードローンが向いていると言えます。

 

年齢制限に到達した場合
前述のとおり、カードローンには年齢制限があり上限が決まっています。一括返済する資力があれば問題はありませんが、分割返済することとなった場合には金利負担が多くなってしまいます。新たに借り入れすることができないのであれば利便性は失われるため、返済総額を減らすために不動産担保ローンを検討しても良いかもしれません。

  まとめ  

不動産担保ローンとカードローンの違いを、カードローンの説明を中心にしてきましたがいかがでしたでしょうか。カードローンは割と身近にある融資商品ですが、他の融資商品と同じようにメリット・デメリットがあります。また、不動産担保ローンとの比較も交えましたので、より一層ご理解いただけたかと思います。
「ご利用は計画的に」という言葉のとおり、どのような借り入れをするとしても無理のない返済計画を立てることは非常に重要なことです。返済計画をしっかり立てた上で、どの商品を借り入れすべきかを検討するようにしてください。

おすすめ記事